逗子の放課後等デイサービス施設「海山時間」が3月1日、オープン1年を迎えた。
逗子のアートフェスティバルで飾った子どもたちの作品(提供=海山時間)
桑原潔さんが生まれ育った築70年の実家を活用して始めた同施設。「会社を退職後、両親が亡くなって空いていた家を使って何かできないかと考えていた。子育て関係の事業に長いこと関わってきた妻のネットワークもあり、友人の勧めもあった」と桑原さん。
潔さんの妻の泰恵さんは「もともと夫はこの地区の子ども会の役員をやったり、幼稚園で親父の会を立ち上げたりしていた。自閉症の子どもが繰り返す要求にも2時間ずっと寄り添って待てる様子も見て、まったく違う分野の会社員だったがこの仕事に向いていると思えた」と振り返る。
潔さんは児童福祉施設で1年働き、介護施設で送迎の仕事も経験して、独立準備を進めてきた。「私以外は経験のあるスタッフなので、毎日の出来事がケーススタディーになり、最初はスタッフの子どもへの対応を見て、習って、聞いてまねしていた。ここでは障がいがある子たちが自分の思うようにいられることを大切にしている」と桑原さん。
現在は、小学1年生から高校1年生の35人が登録し、1日平均10人程が通所している。対応時間は、学校のある平日は13時30分~17時30分、土曜・祝日・長期休暇期間は10時~16時。カリキュラムは通所する子どもたちに合わせて計画する。
桑原さんは「1年たって子どもとうまく付き合えるようになってきたと感じる。ある人が『困っった子と言われる子どもたちは、困っている子なんです』と言った言葉がストンと納得できた」と話す。
1周年には大きな布に子どもたちからメッセージを書いてもらい、飾ることにしているという。泰恵さんは「ここでは以前から学ばせてもらっている明星大学の星山麻木教授が監修する心・体・頭を育てる『クリエイティブ音楽ムーブメント』を軸にしたプログラムを取り入れている。コロナの状況を見て音楽系のイベントも開催できたら」と意欲を見せる。