2月に入り、ワカメ漁が逗子・葉山で始まった。
2月7日6時30分には、逗子・小坪の漁師・座間太一さんが漁師見習いを1人乗せて出漁。「種糸から成長したワカメを選んで切っていく。日の出時刻ならどうにか手元が見える」と話しながら、種付けした親縄24本のうち4本から約600本を切り出して、約90分で浜に戻った。
浜では、待ち受けていた漁師仲間3人が、根に近い部分からワカメを本体とメカブ、茎に切り分けた。ワカメ本体は、浜に設えてある石釜でゆで、すぐに水桶に移し、冷水で洗う。地元スーパーに出荷する生ワカメは選別し、残りは浜に準備した干し場で干していく。メカブは形を整えて出荷した。
ワカメ干しは、専用の洗濯ばさみ2つにゆでたワカメの茎を割(さ)きながら広げて干していく作業。干し作業20年という80歳の漁師は「干したワカメが凍ってしまうほど寒い時期もあった。2月はまだワカメが柔らかいので、広げる時に切れてしまわないように気を使う。葉山では一本干しという開かない干し方も多い」とかじかむ手を時々バケツの湯につける。「天候にもよるが2日間ほどで乾燥ワカメになる」とも。
座間さんは「これからもう少し水温が下がるのでどんどん成長すると思う。昨年より出来がいい。柔らかいワカメが好きな人は2月の養殖ワカメがおすすめ。3月末から4月にかけては天然になる」と話し、再び海に出た。