「デマンドタクシー」(愛称=アーデンGO)の実証実験が10月15日、逗子インターチェンジ近くにある団地「アーデンヒル」で始まった。
アーデンGOは、逗子アーデンヒル地区(東西南北4カ所)とJR東逗子駅間を運行する。運行車両は逗子菊池タクシーの7人乗りミニバンを定員5人で活用する。運行時間はアーデンヒル発10時、13時、14時、15時。駅発が12時40分、13時40分、14時40分、15時40分。
前日までの予約制で、初日はアーデンヒル南の乗り場から10時の便で大船に出掛けた祖母・母・幼児が、JR東逗子駅発12時40分で帰宅した。乗り場の近くに住むという母親は「自宅の車は大きくて運転が不慣れ。団地の下のバス停まで歩いて路線バスに乗り、JRの駅に行くつもりだったが、ベビーカーの持ち込みも楽なようだったので、タクシーを利用してみることにした」と話す。約10分で駅に到着。運転手が降ろすベビーカーを受け取った母親は「乗り心地も良かった」と笑顔を見せる。
運賃は大人=300円、小学生・障がい者=150円。乗車時は、事前購入したチケット(10枚つづり、5枚つづり)を運転手に渡す。現在はアーデンヒル自治会館で販売している。
前日に自治会の役員たちと乗り場やタクシーの下見をした逗子市環境都市部職員の坂本秀文さんは「車内の空間は広く、乗車口にはステップもあり、乗り心地はよいのではないかという意見が多かったが、限定された時間に乗り合わせるということの難しさをほかの自治体からも聞いている。本格運用に向けて、交通サービスという観点だけでなく、東逗子の商店街も含んだ地域のつながりができるよう考えている」と話す。
自治会の森谷仁会長は「11月には無料でお試し乗車してもらえる日も設定できればと企画している。逗子には山の上にいくつもの団地があるので、アーデンGOの実証実験がうまくいけばほかの地域の参考になるかもしれない。本格運用を目指す」と期待を寄せる。
実証実験は来年3月31日まで。