葉山在住のBMXプロライダーの吉田尚生さんが現在、カフェ&ディナー「DAYS386(デイズサンハチロク)」(葉山町堀内)で個展「STEP OUT OF LINE 自転車で描く道」を開催している。
どちらかといえば家で絵を描くなど一人遊びが好きだったという吉田さんは、15歳でBMXに出合い、双子の兄と共にのめり込んだと振り返る。イギリスに渡り、19歳でフランスで開催された国際大会で優勝。「自転車が私を海外に連れ出してくれた。英語が話せなくても海外での経験があってプロになれた。観客の前でパフォーマンスする魅力も知った」と話す。
帰国後には、BMXを続ける一方で、得意の絵も生かそうと「劇団四季」の美術の仕事も始めた。「BMXの大会で年間ランキング2位・世界大会でベスト16になり、ステージの仕事をしながらもやはりもっと大きな夢はあきらめられなかった」という吉田さんは再びBMXにも力を入れ、サーカス劇団「シルク・ドゥ・ソレイユ」の舞台のチャンスをつかんだ。
2年間、「シルク・ドゥ・ソレイユ」の作品「Volta」の出演者として世界を回ったところで新型コロナウイルスの世界的まん延により帰国を余儀なくされた吉田さんは、よく遊びに来ていた葉山に移住。「ニューヨークで個展を開くほど独学で追求してきたアートとBMXで表現できることがあると、自転車を筆に変えてみた。劇団四季の舞台美術の経験も役に立っている」と吉田さん。
今回の個展名「STEP OUT OF LINE」には、「予定していた道もそれることがあるが、それが新しい道をつくる」という思いを込めているという吉田さんは「毎日、葉山公園でBMXの練習をしている。同じ景色だけれど、毎日違って見える。今回、葉山での初めての個展はそういう自然豊かな葉山の海や山からインスピレーションを受けた色彩豊かな新作が25点。笑顔と元気が届けられたら」と期待を寄せる。
8月31日まで。
「DAYS386」の営業時間は11時~18時。木曜定休。