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逗子に日本の茶と酒を伝える茶寮&バー カウンターに茶釜のしつらえ

特注したバーカウンターは杉の一枚板。その前でお茶をいれる店主の山本睦希さん

特注したバーカウンターは杉の一枚板。その前でお茶をいれる店主の山本睦希さん

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 逗子・亀岡八幡宮向かいのカサハラビル2階に「逗子茶寮 凛堂-rindo-」(逗子市逗子5、TEL 046-870-3730)が5月3日、オープンした。

京都の味を伝える生菓子

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 店内のしつらえは、前店舗のワイン専門ダイニングバー「美・ワイン処R」から引き継いだという。カウンターは茶釜を備え付けられるよう新たに特注した。店主の山本睦希さんは「Rさんからの縁を大切にしたいと店名はRから始まる凛堂にした。現代の茶寮をイメージしている」と説明する。

 酒どころとして知られる京都・伏見で育った山本さんは10代で料理人を目指したといい、尊敬するワインのソムリエがいる都内の店で働いた。「25歳の時、フランスに勉強に行った。そこで、なぜ日本人は胸を張って日本の酒を紹介しないのかと言われて悔しい思いをした。隣町が宇治で、幼い頃からおいしい日本茶と和菓子を食べ付けていたこともあり、日本人として伝えていくべきことは海外のワインではないかもしれないと気付いた」と振り返る。

 帰国後、都内で茶釜を備えたレストランの立ち上げに関ったことをきっかけに日本茶を学び、将来の独立を考えるようになったといい、「和菓子は昔、食べていた味を思い出しながら、季節感を大切に創作している。生菓子にこだわっているので、わらび餅も客に出すと温くて驚かれる」と話す。

 メニューは、「季節の日本茶と生菓子のアフタヌーンティー」(2,970円)、「日本茶と生菓子のセット」(1,540円~)、日本茶各種と茶酒(880円~)など。器、皿、湯呑みは全てななさわ窯(厚木市)から調達した。

 アフタヌーンティーでは、提供する茶の種類に合わせて器や湯飲みを替える。食前茶は「炭酸茶」を用意。食中の茶は好みの茶葉から選んでもらう。食後には「お薄」。竹籠に十五穀米いなり寿司や香の物などを盛り付けて提供する。和菓子は、5種類を2段のわっば重に並べる。

 いずれも茶は、茶葉の種類によって湯の温度を変えながら山本さんがカウンターで二煎または三煎までいれる。「玉露」は、三煎目をいれた後、茶葉をオリジナルのポン酢で食べることができる。

 新型コロナウイルスまん延防止対策期間中はアルコールの提供ができないが、夜間はバータイムを設けて営業。飲用グラスの指定があるビール「ガージェリー」、日本各地のワイン、日本酒、焼酎、ウイスキーをはじめ、山本さんオリジナルの京番茶ハイボール(990円)、煎茶紫蘇ジントニック(1,100円)などが味わえる。

 レストランでの経験を生かし、酒のあても素材の産地を選び、ひと手間かけている。有明のりを焙炉(ほいろ)であぶって食べるメニューもある。山本さんは「日本人がたしなんできたことも伝えていきたいと思い焙炉も探した。逗子にもこうして日本の品格ある食文化にこだわる店があるのだと思ってもらえるようになれば」と意欲を見せる。

 営業時間は、茶寮タイム=12時~16時30分(LO.16時)、BARタイム=17時30分~21時。まん延防止重点措置期間中は12時~17時。

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