逗子で唯一の養蜂家、3年目の最盛期迎える ワークショップも

巣箱の前で、ワークショップの参加者に説明する林さん

巣箱の前で、ワークショップの参加者に説明する林さん

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逗子で唯一の養蜂家、林寿裕さん(逗子市桜山)の採蜜作業が3年目のシーズンを迎えている。

ワークショップで、回収した巣枠から表面の蜜ろうをそぎ落とす林さんの作業を見つめる参加者たち

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 林さんは、近代養蜂発祥の地という岐阜県で養蜂家を営む伯父、林眞佐春さんに学んだ。2016年、妻の実家のある逗子に移住し、親戚の所有する山の斜面に養蜂に適した場所を確保できたことで「はやし養蜂」を開業した。

 「名古屋で一度試みたが、うまくいかなかったので、逗子では1箱から始めた。採蜜はできたがタイワンリスに箱をかじられて越冬できなかった。2年目は、リス対策が功を奏し、無事に越冬できたので3年目の今年は7箱に増やした」と話す。

 採蜜は蜜のある花が咲く4月~7月が逗子周辺ではシーズンとなる。4月は主に山桜の蜜が集まる。その後、アカシアやリョウブ、ヤブガラシ、カラスザンショウなどの蜜をセイヨウミツバチが集めてくる。花の種類によって味が違うという。混じり物のない純粋な蜂蜜を瓶詰にして通販やイベントなどで販売している。

 「蜜蜂は農薬を大量に使用している田畑やゴルフ場などの近くでは生きていけないことを実感した。蜜蜂が生きていける環境を子どもたちのためにも守りたいと思い、地元の子どもたちに養蜂を通して自然を大切にすることを伝えている」と2児の父親でもある林さん。

 4月に行われた採蜜のワークショップには親子連れを中心に約20組が集まり、巣箱を観察し、熱心に林さんの説明を聞いた。その後、巣枠からそぎ取った蜜ろうを口にしたり、遠心分離器を回したりと貴重な体験をした。

林さんは「逗子には農業を担当する課がないために苦労もあるが、ワークショップに参加した小学3年生が夏休みの研究材料にしてくれるなど関心を持つ子どももいる。逗子でも蜂蜜が採れる環境だということを知ってほしい」と、異業種とのコラボも考えているという。

 同養蜂の蜂蜜は、逗子では「Amigo Market」と「小坪海岸 凛花」で取り扱っている。

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