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冊子「葉山の別荘時代」改訂版発刊へ 葉山の歴史を紹介

(左から)葉山環境文化デザイン集団の柳沢光二さんと辻吉隆さん。明治憲法草案作成に参与した金子堅太郎別荘の沓脱石の前で

(左から)葉山環境文化デザイン集団の柳沢光二さんと辻吉隆さん。明治憲法草案作成に参与した金子堅太郎別荘の沓脱石の前で

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 葉山で「戦前の建物などを調査・保全・再評価し、新しい葉山の魅力を創造する」ことを目標に活動している団体「葉山環境文化デザイン集団」が3月1日、冊子「葉山の別荘時代」改訂版を発刊する。

「葉山の別荘」改訂版

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 同団体発足のきっかけは、2000(平成12)年度に葉山町が町民と行政の協働型「地域創造プロジェクト」と銘打った「くれ竹の郷 葉山」構想。部会の活動として、歴史的建造物の保全と活用に関する調査・研究を行い、未来への遺構として葉山のまちづくりの中で生かしていくことを目指して集まった。ワークショップなどの活動後、2001(平成13)年に発足した。

 プロジェクト後も、現存する別荘の実測と写真と聞き取りによる記録保存活動に取り組み、その成果を、2006(平成18)年10月に冊子「葉山の別荘」にまとめた。

 当初より同団体の活動に参加し、初版製作にも関わったメンバーの柳沢光二さんは「どんな価値のある建物でもそこに住んでいた人のことや歴史的背景を知らなければただのモダンな建物で、通り過ぎてしまう。仲間で葉山の小路を歩きながら、別荘を知ってもらうことが葉山の魅力につながると話していた」と振り返る。その仲間には『葉山の別荘』(用美社)の著書、故杉浦敬彦さんもいた。

 柳沢さんが講師として開催した「別荘文化セミナー」に参加して以来、仲間として活動し始めた辻吉隆さんは「葉山に越してきたころは、道路地図を頼りに散策したが、柳沢さんたちのセミナーを受けた後は住宅地図になった。歩くことが心地よいと思えるまちがいいと思う。調査当初から別荘は3分の1に減り、建物の中に入れてもらったり話を聞かせてもらえることも少なくなった。建物を残すことは難しくても、そこに別荘があったという空間を残せたら」と話す。

 「この冊子は葉山の別荘の歴史の入門編。改訂版はビジュアルを多くし、別荘に住んでいた政界人や軍人、学者などの顔写真を増やし、なじみやすくした。この冊子を手に歩いてみてほしい」と柳沢さん。

 一冊500円(税別)。葉山町図書館2階「まちづくり館」、平野邸(葉山町堀内)で販売している。

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