自家製天然酵母を使ったベーカリーカフェ「HAYAMA BREAD Club(ハヤマ ブレッドクラブ)」(TEL 046-875-2466)が葉山町一色にオープンし1カ月がたった。
(左から)「HAYAMA BREAD Club」のCEO兼ディレクター兼製パン職人の中本わかなさん、CEO兼プロデューサーの村田久美子さん
約5年前まで逗子や葉山でパン職人として店を構えていた中本わかなさんと村田久美子さんの2人で共同経営する同店には、以前から2人のパンを好むファンも多く訪れている。
中本さんは、葉山の自宅の庭に工房を建て、独学で自家製酵母のパン作りを始め、2008(平成20)年に逗子海岸近くのシネマカフェ「シネマアミーゴ」隣に「wakanapan(わかなぱん)」を出店した。「シネマアミーゴができる少し前だった。アミーゴができて、マイケルジャクソンの音楽を楽しむマイケルナイトというイベントがあり、そこでDJをしていた村田さんと出会った」と中本さん。「ちょうど方向転換を考えていた時期に私とは違うポップなセンスを持つ村田さんと会って新しい企画を始めることができた。それが今でも伝説と言っていただける日曜だけのパンケーキショップ『SUNDAY JAM』」と振り返る。
中本さんと村田さんは2012(平成24)年、米西海岸のサンドイッチカルチャーに影響を受け、グルメサンドイッチカフェ「Double Sandwich HAYAMA(ダブルサンドイッチ ハヤマ)」を葉山に出店した。
2017(平成29)年、2人は「食」に限らず、クリエーティブ・コンサルティングとして、ブランディング・店舗プロデュース・レシピ開発などを通じさまざまなライフスタイルを提案する会社「WSENSE(ダブルセンス)」を設立。立ち上げの前後約5年間、2人はパン作りから離れ、レシピや素材を見つめ直す時間があったという。村田さんは「その間、2人のテーマでもある、カリフォルニア、ロサンゼルス、サンフランシスコなどのベーカリーやマーケットを巡る間に、気持ちを一新してさらにグレードアップして再スタートしようと話し合った」と話す。
「新たに始めるならば、やはり私たちを育ててくれた葉山逗子に恩返しをしたいと思い、場所を探していた」と中本さん。新店の出店場所は葉山町役場入り口の信号近く。「駐車場と大きな窓が決めてとなった」と村田さん。役所や小学校が近く、建物の周りは桜並木で、窓からは里山の風景を望むことができる。席数は30席。
店内には葉山のオーガニックティー専門店「Dadaya(ダダヤ)」初の常設店がインショップ展開するほか、提供するコーヒーは、鎌倉に支店を持つ米カリフォルニア・サンタクルーズ発コーヒー専門店「Verve Coffee Roasters(ヴァーヴ コーヒー ロースターズ)」のコーヒー豆を使う。
天然酵母入りのオリジナルパンケーキは日曜日8時~15時のブランチ限定で提供。新たに開発したグルテンフリーの生地でも味わえる。
中本さんは「店名はとても悩んだ末に、クラブと付けた。パンだけでなく、ここに来ると音楽や緑や新鮮な野菜などもあり、誰かに出会えそうと思ってもらえるコミュニティーの場になれたら」と話す。
営業時間は、水曜~土曜=11時~17時、日曜=8時~15時、月曜・火曜定休。