逗子文化プラザホール(逗子市逗子4)で4月12日、ピアニスト飛松利子さんによる「春の音楽講座 ハプスブルク帝国崩壊100年 全4回」の初回が開催される。主催の「逗子サロンコンサート」は1986(昭和61)年に発足し、音楽のまちづくりを目指して活動を続けている市民団体。
1~2年に1度は訪れるウイーンで恩師ケラー教授夫妻と(中央/飛松さん)。オーストリアの人は海のない国なので、逗子に来ると海をとても喜ぶという
代表の松本はるこさんは「この近隣で、ウイーンの音楽についてこれだけ分かりやすく、センスよく解説ができるピアニストは飛松さんしかいない」と厚い信頼を寄せる。
今回の企画は1273年のハプスブルク家の誕生から、帝国崩壊までの645年を4回に分けて、歴史と、そこにまつわる音楽家たちの曲をピアノ演奏で紹介するもの。
1回目(4月12日)は、まだピアノが登場する前のオルガンやチェンバロの時代から始まる帝国創生の約500年間。2回目(4月26日)は、ハプスブルク家唯一の女帝マリア・テレジアとその時代の作曲家、ハイドンやモーツァルトなどについて。3回目(5月17日)は、ウイーン会議の頃で、古典派からロマン派への移行期。4回目(5月31日)は、音楽も退廃的で官能的なものになる、帝国が崩壊していく時代。
各回共、スライドを映しながら歴史、文化、時代背景、音楽家のエピソードなどを交え、ピアノ演奏を楽しんでもらう。
ウイーン国立音楽大学ピアノ科を卒業し、逗子在住の飛松さんは「ハプスブルク時代の音楽はもちろん学び演奏してきたが、この企画のために登場する皇帝や音楽家ら28人の本や資料をあらためて読んだ。どなたか一人に興味を持ってもらえたら」「音楽を理解するのに歴史はヒントになる、この時代も皇帝の生活に余裕が有る無しで変わっていく。関心を持った視点でウイーンに親しみを持ってほしい」と話す。
9時30分開場、10時開演。料金は全4回で4,000円。チケットは同ホール、椿書房などで販売中。