ホテルにゲストハウスとカフェを併設する複合施設「葉山うみのホテル」(堀内)が7月24日、葉山マリーナ近くの海岸沿いにオープンした。運営会社はシマダハウス(東京都渋谷区)。
天然の鉱石である光明石を使用した人工温泉。宿泊者のみ利用可能(提供=葉山うみのホテル)
アサヒビールの研修施設だった建物をリノベーションした。1階にはレセプション、ロビーラウンジ、サンドバー(カフェバー)、バンクルーム(ゲストハウス41室=4平方メートル)、テラスを設置。5階には客室が20室(ダブル14室、和室4室、ツイン1室、スイート1室=13.75~47.4平方メートル)、6階は大小2つの人工温泉。外観はほぼ変わらず、客室や温泉も以前からの設備の中で使用できる部分を利用しながらホテルのコンセプトに合わせて手を入れたという。
温泉や海側の客室からは一面の海の向こうに江の島、伊豆半島の山々、富士山まで眺めることができる。
玄関はレセプションとラウンジを兼ねた吹抜けの空間。レストランカフェバーとして、宿泊客以外も利用できる。
ランチは、店オリジナルの新潟産米で製造した米麺(フォー)や、同社が都内で展開しているレストランの人気メニューからオリジナルカレーなど(900円~)。素材には葉山牛や地元の野菜を使う。
カフェメニューは元々、葉山が大好きという副支配人、鶴岡瑞己さん肝いりのマシンを使った「かき氷」が特徴。ジュースなどをそのまま氷にして削り、スノーパウダーのような触感が味わえる。「黒蜜きな粉かき氷」「いちごミルクかき氷」(900円)。
ドリンクで種類が1番豊富なものはビール。以前の管理会社アサヒビールとの関係性も兼ねている。「葉山ビール」「湘南ビール」など地域のクラフトビールやアメリカ、イタリア、タイ、ベルギーなどのビールを約20種類(600~800円)。ほかに、「葉山夏みかんサイダー」(500円)をはじめ、オリジナルブレンドコーヒー、紅茶などソフトドリンクやカクテル、自然派ワイン(700円~)も用意。営業時間は、ランチ=11時30分~15時、カフェバー=15時~23時。
総支配人の小林武一郎さんは「このホテルで仕事をするようになり、海と山、両方の自然を楽しめる場所で町の皆さんの表情も明るく感じる。地域とコミュニケーションを図り、貢献していきたい」と地域とのつながりを意識する。建物内の装飾には葉山在住のアーティストとのコラボもある。客室内の絵画は山田結美さん、ロビーなどの漂流物アートは高梨新一さんの作品。
開発責任者のシマダアセットパートナーズ、志村俊輔さんは「このシンボリックな建物をリノベーションして生かそうと決断した理由は、何よりもロケーションの良さと都心からのアクセスの良さ。逗子駅からの利便性もいい。客室もバリエーションが豊富で幅広い世代の人にご利用いただけるのでは」と自信を見せる。
シマダハウスは都内で一軒の精米店から始まり、1963(昭和38)年に建て売り事業を開始。その後、国産米麺(フォー)を主とした飲食店「コムフォー」を誕生させ、住宅事業、賃貸管理事業、ホテル事業、保育事業、旅行事業などを展開し、住宅型の介護施設なども開業。同ホテルも2020年3月には介護付き有料老人ホーム(シニアレジデンス)が併設され、全国的にも珍しい介護施設との複合施設としてグランドオープンとなる。そのため、11月初旬~2020年2月は工事のため休館。
小林さんは「地域の方々と一緒に人と人がつながり、思いがつながる場所になればと思う。県内1のホテルを目指したい」と話す。