葉山小学校読み聞かせサークルの創設初期メンバーが6月5日、山梨崇仁町長を訪問し、「子供の読書活動優秀実践校・図書館・団体(個人)に対する文部科学大臣表彰」の報告を行った。
山梨町長は「文科大臣賞とは本当に素晴らしい賞を受賞されたと思う。話をお聞きすることを楽しみにしていた」と訪れたメンバーを歓迎した。
同サークルは2001(平成13)年に発足し、現在児童の保護者約100人が参加。週1回、自分の子どもが在籍している学年の教室で授業が始まる前の10分間、読み聞かせを行っている。
表彰の対象となった活動は、18年間にわたり、読み聞かせを行うとともに、学年ごとにブックリストを作成したり、紙芝居やエプロンシアターを取り入れたりとさまざまな読書体験の提供をしてきたこと。
大きな特徴は、担当の保護者が自分の好きな本を読むのではなく、代々の保護者が選書し、学年ごとにリスト化した本を読むこと。6年間で約250冊あり、葉山小学校を卒業すると全員が共通の250冊を読んだことになる。
立ち上げメンバーの一人、新井華子さんはリストについて「ロングセラーや古典シリーズを取り入れたり、発達段階や季節に合ったものなどを選んだりして、年に一度は見直している。学校のカリキュラムに合わせた本を選ぶなど先生たちとの連携も図っている。どれもいい本なので、練習して上手に読むことは求めず、しっかり時間内に読み切ることで良さが伝わると思う」と説明する。
新井さんたちの活動を受け継いだ平井聖子さんは「初期の方々が苦労されてルールなども整えてくださったので続いてきたと思う。時間を守ることや教室の中でのことは他言しないこと、感想を児童に求めないなど大切なことが引き継がれている」と話す。
熱心な活動はほかの小学校の保護者の間にも広がり、現在では町内全ての小学校で読み聞かせ活動が行われるようになった。
絵本の力で子育ての苦労も乗り越えられるのではと考える新井さんたちは地域で「おちゃとらの会」という場も提供している。「母親が子どもと一緒におやつ作りやお茶をしながら、子育てや絵本の話をしたり、わらべ歌で子どもと遊び、絵本の読み聞かせなどをしている」という。