葉山町出身のデフ(聴覚障害者)バレーボール日本代表、中田美緒さんが1月7日、同町役場を訪れ、山梨崇仁町長に「東京2025デフリンピック」優勝を報告した。
山梨崇仁町長にデフリンピック優勝の報告をする中田美緒さん(右)。通訳は長姉(中央)
2025年11月に開催された同大会で日本は準決勝でウクライナ代表を3-2で、決勝戦では前回優勝のトルコ代表を3-0で破り、2大会ぶり2度目の金メダルを獲得した。中田さんはセッターとして全試合に出場した。
生まれつき聴覚に障害があった中田さんは県立平塚ろう学校中等部1年の時にバレーボールを始め、高等部1年で日本代表として世界選手権に出場。2017(平成29)年、デフリンピックで金メダルを獲得。その後、バレーボールの強豪・東海大学に進学。2023年、清水建設入社。2024年、世界選手権で優勝、ベストセッター賞受賞している。
中田さんは大会を振り返り、「一番印象深い試合はこれまで2連続負けているウクライナ戦。リベンジの意味もあり、粘り強いプレーで勝った。この勝利があって決勝でトルコにストレート勝ちできたと思う」と話し、「代表に選ばれてから手話を覚えた高校生2人が伸び伸びとプレーしてくれたことも大きい。私が高校生で代表入りした時、先輩たちにしてもらった経験が生かせた」とも。
葉山町では応援バナーを庁舎に掲げ、役場職員や議員らが試合会場に駆けつけ、応援した。応援グッズを作って持参した男性職員らは「入場するまでに4時間並び、やっと試合途中から入れ、応援できた。すごい盛り上がりだった」と振り返り、中田さんが持参した金メダルを大事そうに手にした。
大会後、ボールに触っていないという中田さんは「金メダルに決まった時は、これでやっと皆さんにいい報告ができる、恩返しができるとうれしかったが、一方で厳しい練習も終わってしまったというさみしい気持ちもあった。今後は未定だが、2029年のギリシャ大会に出たいとは思う」と話す。
山梨崇仁町長は「ギリシャはオリンピックの聖地なので、ぜひ目指してもらいたい」と期待を寄せ、「町民に素晴らしい経験を伝えてもらえる機会を作りたい」と言うと、「自然豊かな葉山はリラックスできる場所。そんな町で人とのつながりを大切にしてもらえたらと思うし、障害があっても生きやすい社会を作っていくために何かしたいと考えているので、ぜひ参加したい」と応えた。
中田さんは前日1月6日、長年、多くの夢や希望を町民に与えたとして同町から「町政功労者 一般表彰」を受賞している。