65回目を迎えた「葉山町農産物品評会・即売会」が1月10日、福祉文化会館(葉山町堀内)で開催され、会場には164点の野菜や果実が並んだ。
よこすか葉山農業協同組合、神奈川県農業技術センターの職員らによる9日の審査会で決まった各賞の褒章授与式が即売会の前に行われた。審査長の同センター三浦半島地区事務所長、田村律子さんは「2年続けての猛暑、9月10月になっても気温が下がらず、例年以上に苦労されたと思うが、目を見張るような農産物が出品され、農家の皆さんの熱意を感じた」と講評し、特に夏ミカンなどかんきつ類に対しては「久しぶりに、こんなレベルの高いものを見た」とも。
入賞は葉山町長賞、葉山町商工会会長賞、ショッピングプラザハヤマステーション賞など17の賞のほか、今回は町制施行100周年記念賞が増え、33品が受賞した。
神奈川県知事賞を受賞したカブの生産者、岩澤勝実さんの代理で出席した実姉は「祖父以前のことは聞いていないが、代々、農家。カブは弟の一番好きなものなので、そのカブで県知事賞を頂き、喜んでいる。努力賞の甘夏は父親の代から土と合わないなか、苦労して育ててきたまさに努力賞もの」と自分事のように喜ぶ。
11時30分からは品評会に出品された農産物の即売会が行われ、10時過ぎには整理券を求めて町民が集まり始めた。同町産業振興課の職員によると、「例年の倍以上、120人ほどが並んだ」という。1巡目は1品、2巡目は2品を購入することができ、町民らは「いつもに比べたら高いし、欲しかった野菜は買えなかったけど、こんな大きな白菜が買えたので良かった」「町のスーパーに比べたら安い。かんきつ類は大きくて立派。ジャムにしよう」などと抱えながら会場を後にした。
同組合葉山支店長の細谷昌弘さんは「つい2、3日前まで出品を心配していたが、審査に来て驚いた。実際、出品できなかった農家もいるが、新しく参入した人もいて出品数は多かった。課題の一つ、後継者問題も乗り越えて続けていければ」と話す。