
「桐島ローランドさんと学ぶ! 初心者のための生成AI活用セミナー」が5月29日、逗子文化プラザ市民交流センター(逗子市逗子5)で行われ、60人が参加した。
企画した同センター副館長の本藤太郎さんは「昨年ごろから、市民の皆さんから生成AIについて教えてほしいという声が増えていたこともあり、セミナーを考えていたところ、桐島さんとの出会いがあった」と話す。すぐに定員に達し、席を追加したという。
曽祖父の別荘があった葉山に2023年に移住した写真家の桐島さんは「AIのエキスパートではないし、20年以上やってきたカメラの仕事がAIに変わられ複雑な心境でいるが、受け入れていくしかないと思ってチャットGPTやSORA、グーグルジェミニなど活用している」と話し始め、普段どのように使っているかを具体的に紹介した。
「AIは人工知能を持つロボットではなく、道具。気になるワードはAIエージェント、専門的な知識より幅広い知識が必要。コミュニケーション能力を磨いて、いかにAIに指示していくかが重要」と桐島さん。
質問タイムでは参加者から「職場で個人の顔写真を用い、○○風の名刺を作ることは著作権の問題があるか」「日常生活で使おうと思っているが、夕飯のメニューしか聞けていない。ほかにどんな活用ができるか」などの質問があった。
終了後、夫婦で参加した市民からは「どんなことができるか聞きたくて申し込んだ。面白そうなのでやってみようという気持ちになった」、70代の女性は「チラシなどを作れるか知りたかった。具体的な方法を教えてもらえる講座を続けてほしい」などの感想が聞かれた。
本藤さんは「昔、カメラが発明されて画家の世界は写実派から印象派に取って代わった。今、AIが出てきて仕事がなくなるという心配もあるが、何かが生まれていく時だと思う。また市民の皆さんの希望があれば講座を考えていきたい」と話す。
「個人的にはAI時代の社会に出ていく子どもたちをどう教育するか悩み。今は、専門知識を積むよりとにかくいい奴になってと伝えている」と本音で話した桐島さんは講座を終え、「市民向けのAI講師は初めてで心配だったが、大勢の参加者があり、前向きに聞いてもらえて良かった。自分のカフェでも少人数でやっていこうかな。葉山は大好きなゴルフ、マウンテンバイク、サップができて楽しいところ。地域の皆さんと交流していきたい」と笑顔を見せる。