葉山町が10月21日、AIデマンド型乗合タクシー「はやまる」の実証運行を始めた。
AIデマンド型乗合タクシー「はやまる」を利用して役場に来た町民
町内の乗降ポイントを予約に応じて運行する乗合タクシーで、AI(人工知能)により、効率的な経路を判定し運行する。実証運行は、同町が町民の暮らしに必要な足となる公共交通の確保を試行錯誤してきた中での取り組みとなる。
同町には鉄道の駅がなく、隣接の逗子市にあるJR逗子駅や京急逗子・葉山駅を利用する町民が多く、同駅への足はある。一方、バス停が300メートル圏内になく、山坂の上で、役場など町中に向かう足がないという「公共交通空白地」が多い。同運行は、道路運送法第 78 条第2号及び道路運送法施行規則第 49 条第 1項第 1 号の規定による「交通空白地有償運送」として行うため、乗降ポイントは限られる。
初日に葉桜団地から利用した町民は「役場に来るときは、いったんJR逗子駅までバスで行き、乗り換えていた。利用料金がいくらかというよりも、便利さとかかる時間の短さが本当に助かる」と喜び、「アプリを使うことは抵抗があるが、電話でやり取りできるので良かった。みんなに勧めたい」とも。
事業を担当する同町政策課の大屋さんは「実証運行というと、利用者が少ないとやめるのではと心配する声もあるが、専用車両を購入したこともあり、できれば乗降ポイントも増やし、車両も増やし、どうすれば続けていけるか検討していきたい」と前向きな姿勢を見せる。
10月21日~12月6日は第1地区(長柄・堀内地域)で、12月9日~来年1月31日は第2地区(下山口・一色地域)で運行する。運行時間は平日の9時30分~14時30分(年末年始・祝日は運休)。同一地区内への利用料は、大人(中学生以上)=200円(町役場、町立図書館など地区外の指定ポイントへは300円)、小学生=100円、未就学児無料。予約は電話または専用アプリから行う。