認知症啓発イベント「認知症を映画館で知るDAY」が9月13日、シネマカフェ「シネマアミーゴ」(逗子市新宿1)で行われた。
逗子市内で唯一オレンジ色にライトアップして啓発に協力する「シネマアミーゴ」
主催は市民グループ「認知症フレンドリー逗子葉山」。代表は認知症の当事者、近藤英男さんで、認知症になっても安心して暮らすことができる地域づくりを目指して今年8月に立ち上げた。メンバーの一人、大橋マキさんは「以前は逗子葉山にもあったそうだが、当事者を中心に市民が立ち上げたグループは現在、ここだけ。認知症になった人に『困りごとは何か』を聞くのではなく、『やりたいことは何か』を聞いて、病気になっても生き生きと暮らせることを目指したい」と話す。
当日は、認知症セカンドステージの母親と暮らす関口祐加監督が最先端の認知症ケアを学ぶためにイギリスへ行き、撮影してきた長編動画「毎日がアルツハイマー2」を鑑賞。その後、若年性認知症の近藤英男さんと妻、小夜子さんの話を聞いた。
近藤さんは会社員として仕事をしていた57歳の時に発症。その際、「友達も多く、ワイワイすることも好きな自分がなぜ認知症になったのかと思った」などと振り返り、「今は自然体でいることが大事」と話した。最後は、もともと好きだったギターを弾き、「真夜中のギター」を歌い、立ち見が出るほどの参加者から温かい拍手が沸いた。
イベントを終えて、大橋さんは「30人ほどしか入れない小さな会場だったので、たくさんの方に来ていただくことができなかったが、地元のいろいろな世代の方々の顔を見ながら分かち合える場所にしたかったので、この距離感がやはり良かった」と手応えを語った。
同グループは10月11日、茶話会「認知症について認知症の方もご家族の方もみんな一緒に話そう会」を葉山の風早茶房(葉山町堀内)で初めて開く。
シネマアミーゴでは9月16日~22日、「毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル 最期に死ぬ時。」を上映。16日には関口監督が来場する。