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逗子で建築家・久米権九郎が設計した「旧本多邸」 竣工見学会

「久米式耐震木骨構造」で設計し、現存する唯一の個人宅「旧本多邸」

「久米式耐震木骨構造」で設計し、現存する唯一の個人宅「旧本多邸」

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 JR逗子駅にほど近い住宅地にある国登録有形文化財「旧本多邸」(逗子市山の根2)で7月13日14日、竣工見学会が行われる。

「久米式耐震木骨構造」が見られる2階和室

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 同建物は1939(昭和14)年、鉱山・船舶用の安全灯の製造販売業「本多商店」の支配人だった本多庄作さんが建築家・久米権九郎に依頼して建てた木造2階建て。空き家となり老朽化が進んでいたが、保存したいという本多家の意向もあり、2021年、久米設計(東京都江東区)が継承し、改修工事をしていた。

 ドイツで建築を学んだ久米が考案した「久米式耐震木骨構造」を用い、現存が確認できる建物は日光金谷ホテル、軽井沢万平ホテルアルプス館と同建物の3件。2階の和室ではその構造が見えるよう、一部、壁をガラス張りにしている。屋根の梁(はり)の様子も分かる小屋裏も公開する。

 工事着手前から調査研究してきた東京工業大学の工学博士で一級建築士の木津直人さんは「細い木材を使った構造は鳥かごのようだといわれるが、その様子がよく見て取れる家」と話す。一方、太く長い梁を使った吹き抜けの広い居間も大きな特徴だという。逗子の町を見下ろせる居間は庭に面して窓があり、2階のホールに階段が続き、壁には2畳ほどの大きな絵が当時のまま飾られている。

 久米設計の社員、松永幹生さんは「久米設計もここに残っていることを知らなかった建物だが、設計図などもあり、途中で増築した部分を除き、最初の設計に基づいて修復、復元した。今ではもう見られない装飾やドアノブ、壁の電気スイッチなどは、なるべく残している」と話す。「地域の皆さんにとっても生きた文化財として活用してもらえたら」とも。

 公開時間は13日=13時30分~16時、14日10時~16時。見学無料。

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