逗子の披露山公園にある猿舎に7年ぶりで赤ちゃんが誕生してから1カ月がたった。現在、順調に育つ様子が見られる。
赤ちゃんは、1955(昭和33)年の開園時からある猿舎で5月19日、誕生した。父親は2016(平成28)年6月1日生まれのカシュ―で、母親は2011(平成23)年6月10日生まれのナデシコ。管理している「どうぶつむら」(東京都渋谷区)の飼育責任者で、猿舎を約20年にわたり見守ってきたという吉村俊幸さんは「増え過ぎないよう調整していた関係で7年ぶりとなり、2頭にとっても初めての経験だが、ほかの猿にも久しぶりのことで、最初は赤ちゃんを抱っこしているナデシコを遠くから見守っている様子だった」と話す。
「妊娠しているようだとは思っていたが、前日も出産する気配はなく、19日の朝、いつものように見回りに行ったときに生まれたことが分かり、うれしかった。初めての子育てなので心配したが、今のところ母乳でうまく育てている」と吉村さん。性別については「ナデシコから離れるようにならないと確認することができない」と説明する。「母猿の性格によって確認できるタイミングも違い、半年先になる場合もある」とも。
11時15分からの昼食時と15時からのおやつ時間には、飼育職員が赤ちゃんをはじめ猿の紹介をしている。「芸ができる猿もいる。久しぶりの赤ちゃん誕生を機に多くの人に見に来てもらえたら」と呼びかける。
赤ちゃんに名前はまだないが、同園の猿には代々、雄には豆類の名前を、雌は花の名前を、それぞれ付ける。