逗子海岸の海の家「Real&Dream~学生が創る海の家~」が8月1日、約2カ月間の営業期間の折り返しを迎えた。
海の家は、東京都練馬区内の小・中学校の同級生だった大学生7人が初めて開いた。通う大学も別々で、「海の家」の運営経験もなく、逗子との縁もなかったと言う。
代表を務める亜細亜大学2年の山村旭陽さんは「高校3年の時、コロナ禍で最終学年としての行事ができず、大学1年の時も学校に行くことはできず、2年になり、やっと友達と遊べるようにもなったが、何となく時間を浪費しているより、今しかできないこと、他の大学生がやっていないことをやってみたいと、この仲間に相談した」と振り返る。「何もないところから始めたくて、湘南で海の家をやりたいと考えた」と話す。
手当たり次第に「海の家」の連絡先にメールを送ったなかで、話を聞いてくれたのが逗子海岸で10年以上、海の家を運営する「ワイルドボア」の冨田渡さんだった。1月に会い、話を進めてくれた。春休みには7人がバイトをして資金を稼いだ。「少しお金も借りたが、8月がずっと晴れてくれたら返していけると思う。同級生はもちろん、大学生たちが遊びに来てくれる。常連になって、そのままバイトしてくれている学生もいる」と山村さん。
メニューの特徴は焼き鳥。メンバーの一人、岩持友理香さんの実家の焼き鳥店が協力。「海の家で串差しの焼き鳥はここだけ。店秘伝のタレが自慢。唐揚げも他の海の家の人たちから『おいしい』と言ってもらえている」と山村さんは自信をのぞかせる。
全員で企画を出し合って、採用され、店に取り付けた「懸垂棒」も海岸を歩く人から注目を集めている。15回以上懸垂ができると、大人にはテキーラ、子どもにはかき氷を進呈する。
山村さんは「7月は大学の試験もあり、全員がそろって営業したことがなかったので、後半は7人全員でお客さんを迎え、できるだけ満席にしたい。ここでしかできない出会いを楽しみに都内からでも来てほしい」と呼びかける。
営業時間は10時~20時。9月3日まで。