逗子名曲鑑賞会「NHK交響楽団メンバー(現・団友)による室内楽コンサート」が4月14日、逗子文化プラザホール(逗子市逗子4)なぎさホールで開催される。
同鑑賞会は年4回のクラシックコンサートを会員になって楽しむ企画で、14日は2023年の2回目となる。
元々の主催者は、高校の英語教師退職後、1988(昭和63)年に地域新聞「逗子葉山秋谷新聞」を創刊し、逗子、葉山で芸術や文化、まちづくりなどに関わってきた山本勝哉さん。団伊玖磨さんや尾高惇忠さんなど地元のアーティストと交流があり、「葉山室内楽鑑賞会」なども主催してきた。
14日に出演する元N響第1バイオリニストの前澤均さんは「山本さんとはもう50年来の付き合い。1989(平成元)年に逗子で湘南ユースオーケストラを立ち上げたきっかけも山本さんだった。昨年、体調を崩し、体力の回復も万全ではなかったので、今年企画することはもう難しいのではと説得したが、地元のホールで優秀な地元のアーティストの演奏会を続けていきたいという強い思いがあり、私も協力することにした」と話す。
前澤さんが声をかけたNHK交響楽団現役メンバーはチェロの藤村俊介さん、ビオラの小野聡さん。団友(卒業生)は首席クラリネット奏者などの要職を歴任した磯部周平さん、第2バイオリンの鈴木弘一さん。演奏曲はJ.ハイドン作曲の「弦楽四重奏曲第67番ニ長調 ひばり」やドボルザーク作曲の「弦楽四重奏曲第12番ヘ長調 アメリカ」など。「いずれも名曲で聴きなじみのある楽曲だが、生の演奏を聴く機会は多くない。会場となるホールもオープンから約20年がたち、建材から空気が抜けて音響も良くなっている。ぜひ地元で名演奏を楽しんでもらえたら」と前澤さん。
今年1回目の開催日となった1月27日の3日前、山本さんが亡くなった。妻は「亡くなる前日までベッドの上であちこちに電話して誘っていた。都内まで行かなくても逗子で名曲を鑑賞できる機会なので、会員になって14日はもちろん7月、10月にもお越しいただければ」と呼びかける。
今後、3回目=7月7日「ブラームス生誕190年によせて」、4回目=10月13日「管楽器の魅力」を予定。年会費は6,000円(ペアチケット=5,000円)。いずれも14時開演。