逗子在住の「いけばな作家」久保島一裕さんが2月9日、桐ケ谷覚逗子市長を訪問し、「いけばな大賞2022」文部科学大臣賞受賞を報告した。
野球少年だった久保島さんは日本体育大学を卒業後、営業職に就いたが、自分で経営してみたくなり、横浜の老舗生花店で修業する。2021年、生花店「ICHIYU(イチユウ)」を開業した久保島さんは「生花に興味はなかったが、草月流の師範だった父の手伝いで創作現場には行っていたので、商売するならば生け花だと思った。最初はフラワーデザイン教室から始めた」と振り返る。
前回、「いけばな大賞2021」自由花の部では最優秀新人賞、東京都知事賞を受賞した。
今年の作品は緑をテーマに、花材に松、リュウゼツラン、アロエ、アナベルを使い、90センチ角の鉄の花器に生けた。高さ180センチ、幅120センチほどの大きな作品で、「きれいさだけではなく、意表を突くような記憶に残る作品にしたかった。松の葉をむしって敷き詰める発想は他にはないと思う」と久保島さん。
「ぜひ作品を市民に見てもらえたら」と受賞を喜ぶ桐ケ谷市長に対し、久保島さんは「最高位の内閣総理大臣賞の受賞者とは2点という僅差だった。今年は最高位を取って、生まれ育って37年の逗子に恩返しできるような作品を展示してみたい」と応えた。