ジオテクノロジーズ(東京都文京区)が東京大学空間情報科学研究センターと始めた人流データ活用の共同研究の初回の研究結果として2月3日に発表した「よく歩く街ランキング」で、1都3県184市区で逗子市が1位だった。
(左から)ジオテクノロジーズ代表取締役社長 CEOの杉原 博茂さんと東京大学空間情報科学研究センターの柴崎亮介教授(提供=ジオテクノロジーズ)
歩行者の動きにフォーカスした共同研究で、同社が保有する「高精度」な人流データを活用した。同社メタバースBU アプリケーション副事業統括の秋本和紀さんによると、「人の移動を捉え、分析するために十分なレベルの人流データがなかったため、車の移動や人の滞在などは分析されていたが、歩行者の移動にフォーカスした人流データ分析は、ほとんど行われていなかった」という。今回の分析は、累計ダウンロード数1200万以上のアプリ「トリマ」のユーザーから取得した。
人流データから歩行者の移動距離を抽出し、1人当たりの平均歩行距離を集計した。対象期間は2022年3月~5月で、約110万人のデータを利用。集計手順は、人流データから「歩行」と特定できた移動の距離を算出したうえで、人流データからユーザーごとの居住地を市区に分類し、さらに市区ごとに徒歩の移動距離の1人当たり平均値を平日と休日に分けて、それぞれ算出した。
逗子市(サンプル数約1900人)の平日の1日の1人当たりの平均歩行距離は1.888キロ、休日は1.867キロだった。秋本さんは「どこが1位になるかは予想できなかった。東大の芝崎亮介教授が分析途中だが、男女別年齢別などのデータも取れるのでこのデータを健康増進やまちづくりに貢献できたら」と話す。