おはぎ専門店「菓匠からくさ」(逗子市逗子3)が12月12日、逗子の京急逗子・葉山駅北口そば、田越川沿いにオープンした。
雑穀米と新潟県産のもち米・コガネモチを使う丸いおはぎを製造・販売している同店。連日、完売が続いているというおはぎは8種類。定番は、こしあん、つぶあん、焦がしきな粉、みたらし、抹茶きなこ、香りごま(以上、180円)。季節に合わせて期間限定で販売する2種類は現在、赤しそ、ほうじ茶(以上、200円)を用意する。雑穀米を炊いた「おはぎのごはん」(400円)も提供する。
店主は、和菓子職人歴約25年という藤森潔さん。母親の実家が長野県諏訪市にある1946(昭和21)年創業の和菓子店だったことから、菓子作りを祖父から教わるなど幼い頃から和菓子に親しんできたという。職人を目指し、いくつかの和菓子店を経て、18年にわたり勤務した東京・水天宮の「三原堂本店」では工場長を務めたとも。やはり自分の店が持ちたいと、藤森さんの妻が生まれ育った逗子に数年前、移住した。甘味、風味、食感、品質の良さから新潟県産コガネモチは「もち米の王様」だという藤森さんは「逗子では素材の良さを理解して受け入れてもらえると感じた」と振り返る。
藤森さんは「雑穀米は、新潟県産コガネモチに合うものを求めていくつも取り寄せ試食を繰り返した」と話す。あんの材料に使う小豆は北海道産を使う。「クチャッとならず、豆の食感がしっかりしていて味が強くないものを選んだ」とも。「あんは糖度を抑えた。あんだけほしいと言われることも」と笑顔を見せる。毎朝2時に起き、おはぎ約500個を一つ一つ手作りしているという。
「昼前に売り切れてしまうことがあり心苦しいが、1人で作っているので数はなかなか増やせない」と話す藤森さんの傍らで「リピーターになってもらえる人は高齢者がが多いと思っていたが、子どもがおいしいと言ったのでまた来たと話す若い母親もいた」と驚く妻の礼子さん。2人は「ストレスの多い社会でまん丸い形をしたホッとできる味のおはぎを癒やしにしてもらえれば」と声をそろえる。
10時開店。売り切れ次第閉店。月曜定休。