葉山町内の夏ミカンを使うレシピコンテストに「夏ミカンピールタバスコ」などが入賞し、8月5日発表された。主催は同町在住の有志らによる「葉山夏みかんプロジェクト」。
夏ミカンの苗とレシピコンテストの案内を手にする「葉山夏みかんプロジェクト」のメンバー、高木奈美さん
東京オリンピック2020の際、葉山に滞在した英国セーリングチームを食事や通訳などでサポートした町民仲間が、メンバーの一人、イタリア料理研究家の高木奈美さんの呼びかけで昨年、始めた同プロジェクト。同町では、1959(昭和34)年に上皇上皇后両陛下のご成婚を記念し、町民に配布した夏ミカンの苗木が町の各家庭の庭で育ち、毎年大きな実を付けている。
町のあちこちで実が成ったまま手つかずの夏ミカンが気になっていたという高木さんは「これまで大切にされてきた木も60年以上たち、そろそろ寿命だという話も聞いた。収穫できずにいるのならば、収穫を手伝い、葉山の夏ミカンの歴史を子どもたちに伝え、後世に残していきたいとサポートメンバーに相談したところ、同じように夏ミカンことが気になっていたそうで賛同してくれた」と話す。
「夏みかんレシピコンテスト」は、収穫時期に合わせ1月24日から6月30日まで開催。同時に夏ミカンを寄付してほしいと募集したところ、高齢になり、自分では収穫できないので手伝ってほしいなどと約10軒から連絡があり、約300個の夏ミカンが集まった。「昔はジャムを作って味わった」「代々、大切にしてきた」という声を聞いたという。レシピを考案するために必要な夏ミカンは無料で配布した。
コンテストには約30の応募があった。入賞作の発表では、山梨崇仁町長は「夏ミカンアイス」を、町産業振興課は「メジナの夏ミカングリル」を、同プロジェクトは「夏ミカンピールタバスコ」を、それぞれ選び、入賞作とした。町内の学校給食に取り入れてほしという希望があることから同プロジェクトでは、「夏みかんのクリームソース」「葉山和ハーブ入りミンスミート」も選び、町にこのメニューを要望していきたいという。
高木さんは「今後も夏ミカンの木の維持や収穫の手伝いなどをしていきたい。木が枯れた後のことを考え、種から苗も育ててみた」と話し、「来年は飲食店に依頼して、夏ミカンを使ったメニューの開発を提案してみたい。葉山の夏ミカンは町にとって記念樹だということを一緒に伝えていけたら」と力を込める。
入賞したレシピの詳細は同プロジェクトのインスタグラムに投稿している。