逗子市が12月5日、「まちなみデザイン逗子賞」の表彰・認定式と「景観シンポジウム 私たちから始まる景観づくり」を行った。
「まちなみデザイン逗子賞」で表彰された「逗子脳神経外科クリニック」の屋外広告物
同市は2014(平成26)年、市民団体「ほととぎす隊景観部会」と協働で、逗子らしい景観づくりのヒントをまとめた冊子「まちなみデザイン逗子」を作成。同冊子に掲載した景観づくりが具現化されていると思われる市内の建築物、工作物、外構、広告物、活動(美化活動など)を2020 年8月1日~11月30日に一般募集した。78 件の応募があり、同部会で24件を「まちなみデザイン逗子の実践スポット認定」対象として選定、その中から地域のシンボル的な役割として模範事例となっていると考えられるものを「景観審議会」で審査し、8件を「表彰」対象として選んだ。
同時に、過去に逗子市景観条例の手続きを経た建築行為(63件)や屋外広告物(35件)について、逗子らしい景観形成の模範となる優良事例3件を「表彰」対象とした。表彰を受けた3件はマリブホテル(逗子市小坪5)の建造物と外構、既存の大谷石と樹木を残し、新しい計画に組み込んだ共同住宅の外構(逗子市池子2)、逗子脳神経外科クリニック(逗子市逗子1)の屋外広告物。
表彰式で桐ケ谷覚逗子市長は「市長になる前、材木屋として家づくり庭作りが仕事だった。いい町づくりの条件は美に対する意識がしっかりしていること。家の外観は社会の財産と思える。表側は他人にも見える顔として樹木の1本でも残したいし、車庫は車がとまっていない時の風景を考えたい。認定・表彰された皆さんはこれからもまちなみづくりの模範になってほしい」とあいさつした。
認定を受けた「山本メディカルセンター」(逗子市桜山3)の猪又事務局長は「病院はネガティブな気持ちで来院する方が多いので、川沿いの環境に調和した公園に、健康を確認に来るような気持ちで来院していただきたいと思って外構などには配慮している」と話す。1941(昭和16)年、柏原村の集落から久木に集団移住した個人宅の外構(適切に維持管理された長大の生垣と樹木)がまちなみに潤いを与えると評された鈴木さんは「母が100歳まで守った家を大切にしていきたい」と笑顔を見せる。
環境都市部まちづくり景観課の三澤正大課長は「さまざまな実践例を取り上げた。できれば認定は期間を定めずこれからも募集していきたい。まちなみデザイン逗子を広めていかれたら」と期待する。