空き家再生活動を展開するボランティア集団「空家(あきや)レンジャー」(逗子市新宿)が取り組んでいるクラウドファンディング「空き家の食堂を『食のチャレンジ』が集まるシェアキッチンに」が6月11日、目標額を達成し、正式に開業が決定した。
「葉山キッチン」として仮オープンしているカフェスペース、奥が厨房
空き物件をメンバー自らの手で改装し、再生することを目指す同団体。これまで、クラウドファンディングサイトを通じて資金を集め、元社員寮の2階をシェア工房「葉山ファクトリー」(葉山町長柄)として再生した。
今回のプロジェクトは、同工房の1階で、社員食堂だったスペースの再生。厨房機器も残っていたため、飲食業にチャレンジしたい人に向け、シェアキッチンにしようとスタートした。飲食店営業や食品製造の許認可も取得し、飲食スペースもDIYで整え、チャレンジしたいメンバーが月に数日、食堂を仮オープンできるまでになっていた。
今後、シェアキッチンを運営していくために、商品の製造・販売をする許認可の取得が必要。そのスペースを改造し、機器を揃えるために、クラウドファンディングを立ち上げた。
キッチンのプロジェクトリーダー、児玉明子さんは「もともと子どもから大人まで地域で学べる場があればいいなと思っていた。一つの価値観だけにとらわれないオルタナティブな生き方を学べる場としてもこのシェアキッチンは生かせると思う。そのためには、カフェだけではなく、製造や加工ができる場所も必要だった」と話す。クラウドファンディングが目標額に達成したことについて「集まらなければ撤退の可能性も高かったので、やっと何かが始まるという気がする」と喜ぶ。
「空家レンジャー」代表の加藤太一さんは「いろいろな人の食の夢が掛かっていた。ここからさらにたくさんの人の夢が始まる場にすることが支援していただいたみなさんへの恩返しだと思う」と感謝の気持ちを語った。正式オープンは7月22日を予定。
児玉さんは「17日にシェア工房と一緒に、シェアキッチンも公開するワークショップを開催する。チャレンジャーも全員参加して試食会もあるのでぜひ参加を」と呼び掛ける。
クラウドファンディングのプロジェクト期限は6月21日。