「横溝さやか作品展」が8月11日、逗子文化プラザホールギャラリーで始まった。
平塚市の社会福祉施設「studio COOCA(クーカ)」に所属する横溝さやかさんは2007(平成19)年、「第4回 逗子市手づくり絵本コンクール」の一般の部で最優秀賞を受けたことをきっかけにイラストレーターの道を歩み始めたという。
「逗子市手づくり絵本コンクール」は逗子市が市制50周年を機に創設。市職員の川嶋名津子さんは「全国から届いた作品の中で、審査員のスズキコージさんが『これ』と言って彼女の作品を指さしたことを覚えている。表彰式で会ったとき、かわらしいお嬢さんだという印象だったが、こんなに活躍されていて驚いている」と話す。
8月12日、さやかさんと共に作品展を見に来た母親は「幼少のころから登場人物を増やしながら話を作っていくことが好きだった。ただ作品として最初に認めていただいたのが逗子市のコンクールで、通っていた施設の職員も驚いて改めて確認の電話を入れたほど。一般の部で評価されたことを友人たちも喜んでくれた」と振り返る。「最初は色を付けることも人間を描くこともなかなかできなかったが、今はいただいた仕事の締め切りも守れるようになった」とも。
知的障がいと自閉症があるという横溝さんは2016(平成28)年に、文化庁主催の障がい者アーティストの展示イベントに世界各国の街並みを描いた作品群などを出展。翌年は文部科学省から共生社会の実現に向けた「障がい者の生涯学習教育を支援するスペシャルサポート大使」に任命された。スポーツ庁の障害者スポーツ団体支援企業認定ロゴマークなどにも作品が採用された。2020年には神奈川県の依頼で「『共生社会』をテーマに誰もがともに生きることができる世界」を夢見て作品を描いた。同作品はは現在、同会場正面で展示している。
作品展を企画した市民協働部次長の石井聡さんは「昨年、パラリンピック応援事業の一つとして横溝さんにお願いしていた。1年延期となり、新型コロナウイルス感染対策もあって規模も縮小せざるを得なくなったが、子どもたちや障がいのある当事者のみなさんをはじめ、いろいろな方に作品をご覧いただけたら」と話す。
開催時間は9時~17時(16日は15時まで)。8月16日まで。