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葉山の「Telacoya921」がTシャツで復興支援 宮城県女川町と10年の交流

「Telacoya921」代表の中尾薫さん。集まり始めたTシャツ

「Telacoya921」代表の中尾薫さん。集まり始めたTシャツ

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 葉山町の「Telacoya921」(葉山町長柄)が宮城県女川町で10年続く布ぞうり作り支援のため、古いTシャツを集めている。

着古したTシャツで宮城県女川町の女性らが作る布ぞうり(提供=中尾薫さん)

 認可外幼稚園やホールスクールなどを運営している「Telacoya921」の代表・中尾薫さんは東日本大震災の3カ月後、2011(平成23)年6月に横浜からボランティアバスに乗り、宮城県石巻に向かった。それを機に知り合った女性が、地域の復興支援を続ける「コミュニティスペースうみねこ」(宮城県女川町)の代表、八木純子さん。中尾さんは八木さんと共に、支援物資として全国から町に届いたTシャツを無駄にはしたくないと、かぎ針を使って布ぞうりを編み、避難所で暮らす高齢者らの仕事になる活動の支援を始めた。

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 中尾さんは「Tシャツ文化が根付く逗子・葉山・鎌倉なら、着なくなったTシャツが集まるだろうと思い、地域の皆さんに呼び掛けて、集めては八木さんのもとへ車で届けたり、送ったりしていた。『私ではなく、若い人が生き残ればよかった』などと嘆く高齢者に生きがいを持ってもらいたかった」と振り返り、「ワイヤーなどを使わず一つ一つ編み上げたオリジナルの布ぞうりを持ち帰り、週末ごとに販売していたので、当時は布ぞうり屋だと思われていたこともある。逗子の市民祭りでは100足を売り上げたことも」と笑顔を見せる。

 八木さんは「被災者となった私たちは『ありがとうございます』という方だったが、布ぞうりを作ることで『作ってくれてありがとう』と言ってもらえるようになり、生きる希望が生まれた。高齢者たちは売れたお金で孫に物を買ってあげることもでき、目の前の目標も持てるようになった」と話し、「昨年からコロナの感染対策で行動が制限されるなか、布ぞうり作りは続けることができた。93歳の女性が『やれることがあってよかった』と喜んでいる」とも。

 中尾さんが約3年取り組んだ活動は逗子市社会福祉協議会が引き継ぎ、2017(平成29)年まで続いた。

 「震災から10年がたち、女川では市民主体の新たな生業をつくり地域の活性化を図ろうと、動き出している」と八木さんは言う。八木さんらのグループが、7月のオープンを控えるペットと泊まれる一棟貸し宿泊施設「追波湾テラス~考える葦(あし)~」(宮城県石巻市)のアメニティーとして、布ぞうりとペット向けのマットを収めることになったという。

 中尾さんは「追波湾テラスの訪問を兼ねて2年ぶりに女川へ行くことになった。布ぞうりの注文も増え、Tシャツが足りないと聞き、久しぶりに集めて届けることにした。帰りには、葉山で販売する布ぞうりを仕入れてくる」と意気込む。

 Tシャツの持ち込みは6月10日まで。預かれるTシャツは、着古した綿の素材で洗濯済みの大人サイズに限る。持ち込み場所は「Telacoya旅する小学校」(葉山町長柄)。郵送でも受け付ける。

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