逗子の小坪漁港近くに住み、海藻の研究を約50年間続けている高橋昭善さんが2月10日、冊子「逗子・葉山の海藻物語 ー海藻は海からの贈り物ー」を刊行した。
冊子「逗子・葉山の海藻物語 ー海藻は海からの贈り物ー」には標本の写真も
現在「相模湾海藻調査会」主宰を務める高橋さんは2018(平成30)年3月から約2年間、地域情報誌「タウンニュース」逗子・葉山版に月1回、コラムを連載してきた。
タウンニュースに掲載したコラム23本分をまとめた同冊子では、ヒジキ、マコンブ、トサカノリなど23種の海藻を紹介している。添えられた標本や漁の写真は、高橋さんが作成し撮りためたもの。「戦後、子どもだった私は逗子の海岸で拾ったアラメやカジメでおなかいっぱいにした世代だが、海藻は食べるものという以外に、医療・産業・文化など多くの場面で役割を担っていることを研究してきた。約2年、分かりやすくまとめてきたのでよりたくさんの人に海藻を知ってもらいたいと1冊にした」と高橋さん。
教員を定年退職後、大学へ入学し、ヒジキやアカモクが属する「褐藻(かっそう)ホンダワラ科」の研究を始めた高橋さんは70歳で博士号を取得。冊子内にある「ヤマタツモク」の説明では、高橋さんが発見した気胞内髄糸形態の顕微鏡写真を掲載している。
「逗子・葉山の海にはかつて約150種類の海藻が生育していた。もっともっと書きたいことがあったが、入門編ということで、まず冊子を手にして地域に生育している海藻に関心をもってほしい」と呼び掛ける。
価格は500円。「こだわりの道具と雑貨の店『紡氣(つむぎ)』」(逗子市逗子5)で販売している。