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逗子で洋食店「フランボワーズ」閉店 夫婦二人三脚で30年

店主の妻、吉田知子さん。木目調の店内で

店主の妻、吉田知子さん。木目調の店内で

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 逗子市役所の前で30年営業してきた洋食店「フランボワーズ」(逗子市逗子5)が11月30日、閉店した。

閉店の案内

 店主の吉田寛さんと妻・知子さんは、鎌倉に住む母親の勧めがあり、埼玉から逗子に移転し、更地だった現住所に店舗兼住まいを建てた。「当時は静かな町で、レストランも多くなかった。あっという間の30年だった」と知子さんは振り返る。

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 店前で閉店の知らせを読んでいた地元に住む50代の女性は「家庭的な落ち着いた雰囲気で一人でも入りやすかった。料理は丁寧で味はしっかりしていた。急なことで驚いている」と話す。

 知子さんは「料理は主人が試行錯誤で自分の味を作り上げてきた。真面目に取り組む人。牛肉の赤ワイン煮やキッシュは特別」と言い、「約10年前、東京に住む娘が都内で人気だからと始めた『ワンプレートディナー』も好評だった。逗子ではそういうプレートがまだなかったし、1.500円でお手頃だった」とほほ笑む。

 閉店のきっかけは、知子さんが春に怪我した足の痛みが増してきたこと。「1940(昭和15)年生まれの主人が高齢ということでそろそろとは思っていた。神様がもうゆっくりしてもいいんじゃないかと言ってくれているのかもしれない。ただ、閉店の案内を書くことが悲しくて、30日に店を閉めてから書いた」と知子さん。「コロナの影響と思われるかもしれないがそうではない。お酒を飲むことがメインの店ではないので、コロナでもダメージはそれほどなかった。30年、大波小波もなく、お客さんに恵まれて淡々とやってこられた。皆さんに感謝している」と静かに話す。

 今後は夫婦で本を読んだり、散歩をしたりして、店の後のこともゆっくり考えるという。