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葉山町の葉山さんが葉山家の歴史を1冊に 郷土資料として学校や図書館に寄贈

「道程-葉山家と葉山のあゆみ」を手にする葉山新一さん

「道程-葉山家と葉山のあゆみ」を手にする葉山新一さん

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 葉山町在住の葉山新一さんが、葉山の地に江戸時代から400年以上続く葉山家の歴史を1冊の本にまとめた。タイトルは「道程-葉山家と葉山のあゆみ」。

 1932(昭和7)年ころの葉山家のしょうゆ醸造所の写真など貴重な史料が掲載されている

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 町内外の古文書や史料、関連本などの資料やメモ、聞き取り取材などから、葉山家の歴史だけでなく、郷土資料としても貴重な内容に仕上げた。

 葉山家は、平安末期から三浦半島で勢力を張っていた豪族、三浦一族に仕えていた。著者の新一さんは、初代葉山太一から数えて6代目の兄弟の息子。「7代も葉山に住みながら、なぜ誰も家のことを伝承していないのだろうと、もともと疑問に感じていた」と言う。「1990年、叔母が亡くなったときに、その叔母が家系図を持っていたはずなので、探してほしいと父に言われた。でも見つからなかった。それでまず三浦一族の家系から調べ始めた」と振り返る。

 当時、新一さんは会社員だったため、休日を使って、関連すると思われる横須賀や藤沢など県内をはじめ、山口県、岡山県、福島県、群馬県など遠方まで出掛け、図書館や記念館、公文書館などで史料を収集した。28年間で、段ボール箱が5~6箱になった。

 定年退職後、鎌倉の出版社に集めた資料を持ち込んだ。本にしたいと相談し、初めての執筆活動が始まった。書きながら確認が必要と感じれば取材に出掛け、約3年間かけて3月末に完成させた。

 葉山家が町の発展の中で、歴代名主として、町会議員として、しょうゆ店の当主として貢献してきたことも記されている。

 新一さんは「パッチワークのように書けるところから書いていった。何週間も筆が進まないこともあったので、やっと書き終えることができたという安堵(あんど)感と、なぜかむなしさのようなものも感じている。手塩にかけた娘を嫁がせたようなものだろうか」と苦労をにじませる。

 非売品だが、新一さんが寄贈した近隣の図書館、学校などで手にすることができる。

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