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逗子在住の元バンダイ社長が歴史ミステリー小説刊行 「本能寺の変」テーマに

茶屋二郎こと、山科誠さん

茶屋二郎こと、山科誠さん

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逗子在住の作家でおもちゃメーカー「バンダイ」元社長の茶屋二郎さんが8月8日、電子書籍「天上の麒麟(きりん) 光秀に啼(な)く」をボイジャープレスから刊行した。

茶屋二郎著書の印刷版。(左から)「アメージング グレース」「天上の麒麟 光秀に啼く」(印刷版は9月販売)「こげなお人ではなか」(すべて発売元=ボイジャープレス)

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 茶屋二郎は山科誠さんのペンネーム。「茶屋」は、山科さんの父親の商売だった「おもちゃや」の「ちゃや」から取った。「二郎」は山科さんの好きな作家、浅田次郎から「じろう」と名付けたという。

 山科さんは、バンダイ創業者の父の後を継ぎ、1980(昭和55)年社長に就任。同年に発売された機動戦士ガンダムのプラモデルは半年で100万個を販売、翌年にはシリーズ累計2500万個販売と一大ブームを巻き起こす。1997(平成9)年には爆発的ヒットとなった「たまごっち」なども手掛けた。現在、日本おもちゃ図書館財団理事長。

 「逗子に越してきたのは、会社から離れる2000年のころ。アスファルトジャングルの中で仕事をすることに疲れていたため、逗子に住んでいる友人の家に遊びに来て、自然環境に癒やされた。東京まで1時間とアクセスもいい」と山科さん。

 「もともと作家志望だったこともあり、能力を試してみたくて、50歳過ぎから本格的に書き始めた。真実は一つしかないが、教科書などの既成概念の中にあるのはその1面で、小説は違った側面を世に出す面白さがある。歴史認識の再評価につながるのでは。ロマンがあっていい」とも。

 「天上の麒麟(きりん) 光秀に啼(な)く」は本能寺の変の真犯人像を新しい視点で解明する歴史ミステリー小説。主人公は、2020年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主役、明智光秀。同小説で明智は犯人ではなく、容疑者の1人。

 電子書籍出版について、「電子書籍のパイオニア、萩野正昭さんとの出会いがある。本が売れなくなっているといわれるが、電子書籍は合理的な、新しい出版文化になっていくと考えている」と期待を寄せる。総ルビにした理由については、「漢字が読めなくて、読書に挫折してしまう人がいる。ひらがなが振ってあれば、小学生でも読める」と話す。

 価格は540円(電子版)。印刷版は9月以降に販売を予定している。

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