日本フレスコボール協会(東京都世田谷区)が3月1日、逗子市、奈良県大和高田市、福岡県福岡市の3地域に国内初の事業として地域クラブを設立した。
(左から)2018年ジャパンオープン優勝、斎藤亮太さん、2018年女子ランキング1位の落合真彩さん、矢野公昭さん、2018年ブラジル大会女子3位の小澤彩香さん、アンバサダー五十嵐恭雄さん
同協会は、フレスコボール通して、地域スポーツの促進や地域交流などを推進してきたが、地域クラブの設立はその活動の一環。地域でフレスコボールに携わっている人たちのこれまでの活動ぶりを認め、今後の活動を応援し地域に根付いていくことを目的としている。
フレスコボールは1945(昭和20)年、伯で発祥したビーチスポーツ。ペアでボールを落とさずにラリー回数やテクニックを競う。
逗子の地域クラブの代表となった久野雅実さんは「初めてフレスコボールを見たのは2015年に小学生の娘と海岸を散歩していた時。娘の友達のお父さんが、海外出張帰りで持ち帰ったそうで、その後、パソコンで調べてラケットを買い、娘と始めた。ちょうどジャパンカップ開催の最初の年で、出てみようと思ったのがきっかけ。当時は参加が15組で、始めたばかりの私が8位だった」と振り返る。
約1年後、日本代表の斎藤亮太さんも逗子海岸で練習をするようになる。斉藤さんは「交通の便が良いこともあって、逗子以外から練習に来る人が多い」という。
2018年には、転勤で離れてしまった仲間がまた戻ってくるようにと期待してその人の名前を冠にした「Saka-chan CUP」を開催。初心者でも楽しめる逗子だけのローカルルールで、ペアは当日にくじ引きで決め、ハンディも付けた。日本代表選手と組むこともあり、くじ運が勝敗の大きな決め手となる。2月23日には3回目の大会が開催され、約40人が参加した。
副代表の外山祐次さんは「フレスコボールは相手の打ちやすい所に打ち返すことで思いやりのスポーツとも言われる。そういうルールのせいか、集まってくる人が皆さん、気持ちよく、穏やか。砂浜で運動することで、下半身が鍛えられる」と話す。
海岸のすぐ近くに住むメンバーの矢野公昭さんは手作りの椅子を貸すなど協力しているが、ラケット製作も始めた。「実は音の苦情が少し出ている。せっかくこうして仲間が増えてきたのに、音のことでできなくなるのはもったいないと思い、音の出にくい素材を使ったラケットを考えた」と応援する。
久野さんは「1日に設立が発表され15人がすぐに会員になってくれた。毎週末に誰かが来てやっているので気軽に声を掛けてほしい。最初はラケットもボールも貸せる。逗子海岸は夏だけでなく、秋も冬も楽しめる所だと思う。逗子が地域クラブのモデルケースとなって盛り上がっていきたいし、逗子から世界大会に選手を送り出したい」と意欲を見せる。
逗子フレスコボールクラブの活動は土曜・日曜、9時~日没ごろまで。フェイスブックとラインで連絡を行う。