逗子の小坪漁港で2月26日、市民が漁師と一緒に旬のワカメを収穫する体験が行われた。主催は小坪漁業協同組合、逗子市観光協会。
漁師たちは、参加者が9時に集合する前に逗子湾で養殖しているワカメを捕りに船を出す。今年は水温が高いせいもあり、苗付けをし直すなど心配されたが、この日も約150キロを捕った。
まず参加者に、ワカメは1年かけて育てていること、ワカメはメカブの茎の元のあたりが一番おいしいこと、逗子では水深1メートルくらいの所で養殖していることなどを、漁師でイタリアンのシェフでもある座間太一さんが説明。
その後、3班に分かれて作業。朝捕れた状態のものを、包丁で茎、メカブ、ワカメ本体に切る作業、ワカメ本体を釜でゆでて、水桶で3回洗い、向きを揃えて並べる作業。洗ったワカメを専用の洗濯ばさみで干す作業と、3つを順番に体験。
家族の付き添いで群馬から参加した男性は「茶色いワカメが、ゆでることで緑に変わることを初めて見た」と珍しそうにのぞき込み、市内から参加した女性は、海中の汚れが付いた部分を大胆に捨ててしまう作業を見て「わぁもったいない」とつぶやく。
メカブの茎の部分と柔らかい部分を分ける作業では、専用のメカブカッターに「これがあると便利」と感心する男性も。
ワカメは1日半~3日で乾燥してパリパリになり、袋詰めをして出荷される。90グラムで1,000円。茎ワカメはレアな部分で、例えばワカメ全体150キロから2キロほどしか獲れない。地元スーパー「スズキヤ」で販売している。
参加者は、大量のワカメをゴシゴシ洗う作業や茎を割いて干す作業などに初めは戸惑いも見せたが、貴重な体験に楽しそうに取り組んだ。
逗子の養殖ワカメは4月ごろまで捕れる。3月3日にはJR逗子駅前広場で「小坪ワカメ収穫祭」を開催。天然ワカメは3月14日に解禁予定。