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逗子で「鉄道ピアノ音楽」コンサート 連弾で「横須賀・総武快速線の音楽」も

後藤國彦さん(手前左から)世界最初期の鉄道音楽の楽譜とコンサートチラシ

後藤國彦さん(手前左から)世界最初期の鉄道音楽の楽譜とコンサートチラシ

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 逗子在住のピアニスト後藤國彦さんが11月10日、コンサート「鉄道ピアノ音楽大全」をJR逗子駅西口近くの「結・YUIコミュニティホール」(逗子市山の根1)で開く。

パークハイアット東京のパーティで演奏する後藤さん(提供=後藤國彦さん)

 「鉄道ピアノ音楽」とは、世界各地で鉄道が開通した時に作られた記念曲や、国の発展とともに整備されていく線路網や鉄道を取り巻く文明の発達などに影響を受けた曲などのこと。コンサートでは、米初の鉄道路線ボルティモア・オハイオ鉄道の開通記念曲「キャロルトン行進曲」(1828年)で始まり、デンマーク、オーストリア、フランスと続く。

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 全13曲の中には、鉄道好きの間で、機関車の動きを精密に抽象化した傑作といわれる「パシフィック231」や香港の通勤時間の混沌とした様子を鮮やかに描写した曲なども含まれ、その歴史や作曲の背景を後藤さんが解説していく。

 ピアノ連弾で出演する萩生哲郎さんが今年作曲した「横須賀・総武快速線の音楽」は、神奈川県久里浜から、東京を経て千葉県の成田空港までの乗車体験を音楽で表現することを試みたもの。楽譜には全ての駅名が記されており、各駅での停車と発車を音で表している。

 後藤さんは「萩生さんは小さいころから鉄道好きで、いわゆる鉄道オタクかもしれないが、私は実はそうではなく、ピアノが好き。小学2年で習い始め、大学生になっても好きで弾いていた。就職先も入社後6カ月間、ロンドンに留学できるということで選び、その間、音楽会に通い詰めた。そこで本当に音楽がやりたくなってしまい、会社を辞め、英国立の大学に入り、作曲を勉強。帰国後、音楽を教える仕事をしながら、オペラシティやサントリーホールなどに来日する超一流の音楽家の通訳をしていた。作曲家として貴重な経験だった」と振り返る。その後、2006年、逗子に越したことで転機が訪れたという。

 「都内から逗子に越してきたころ、ちょうど文化ホールが新しくなる時で、イベント企画を募集していた。ピアノ音楽をさまざまな切り口で掘り下げてみようと『鍵盤音楽史』というシリーズを考えて応募したら選考を通過し実現した。逗子の町の雰囲気や人が自然体でのんびりしていたから、ここでならまたピアノも弾けるかもしれないと思えたことも大きかった」と後藤さん。

 祖父は私鉄の運行業務を担当していた。幼少のころ、全線乗車パスで駅員にあいさつしながら改札に入る祖父との思い出があり、鉄道に親しみを持っていた。父は鉄道車両を製造する仕事で初代新幹線の電気系統の設計に関わった。「祖父も父も家で仕事の話をするわけではなかった。ただ思い出の中に鉄道があり、いつかは鉄道の音楽をまとめたいと楽譜や資料は集めていた」と言い、それが今回、初めて「鉄道ピアノ音楽」のコンサートになった。

 後藤さんは「機関車とピアノは似ている。重く黒光りする様相もだが、その音、衝撃など。木製から金属に変わったように、馬車から蒸気機関車に変わり、時代の変遷の中にある。そういう話も交えながら音楽と共に楽しんでいただければ」と呼び掛ける。

 16時30分開場、17時開演。料金は2,500円(全席自由。要予約)。

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