「カフェ ビブリオテカ」(逗子市新宿4)が12月6日、逗子海岸を望む披露山のすそ野にオープンした。
逗子海岸から徒歩3分ほどの場所で、店主の高橋恵利子さん・美恵子さん姉妹が、曽祖父、柳吉さんらが暮らしていた家を改装し、カフェとして開いた。恵利子さんは「元はもっと海岸よりに建っていた家を移築したそうで、150年はたっていると聞いている。家は20年に一度は改修した方がいいということで、父母が2000年に手を入れていて、『そろそろ私たちが改修しないと』というタイミングで、カフェにして公開したいと姉妹で話してきた」と説明する。
姉妹が生活する住居スペース以外のキッチンや和室の改修をはじめ、障子や床の間など建具のメンテナンスや床の塗り直しなどを行い、父母が修繕した箇所も曽祖父が暮らしていた時代の様式に戻した。敷地内にあった大正生まれの祖母の建物も解体撤去し、庭も整備した。
8畳間だった2部屋を洋間にし、10席~12席の椅子席をしつらえた。和室は曽祖父らが使っていた座卓や火鉢などを置き、むき出しになった太い梁(はり)なども見られるようにした。飲食はできないが、子どもでも興味を持ち、静かに座って日本家屋を体験しているという。
カフェのメニューは美恵子さんが担当する。「以前からアンチエイジングやウェルネスなどのワードが好きで、発酵や薬膳を意識して料理してきた。友人や知人に食べてもらうと喜んでもらえていたこともあり、カフェをやってみたかった。裏山に実る柿で柿ジャムを作ったり、フキノトウでフキみそを造るなど自然の素材にも恵まれている」と美恵子さん。
ランチはスパイスが利いた週替わりメニューのほか、手作りのニンジンドレッシングにこだわったという「サラダプレート」(以上1,650円)。オリジナルデザートはアップルクランブルパイ(700円)とベイクドチーズケーキ(600円)が定番で、季節によって追加する。ドリンクは、コーヒー、紅茶、ルイボスティー(以上600円)、ソイラテ、カプチーノ(以上700円)など。
仏教美術などを京都で学んできた恵利子さんは「コロナ禍の頃に逗子に戻ることになり、改めて曽祖父や父母が残してくれた、この日本家屋と環境を持続したいと思った」と話し、「持続するためには柔軟に時流を読み、活路を見いだしていく必要があると考え、多くの人に知ってもらえたら」と話す。
営業時間は11時~18時。月曜~水曜定休。営業始めは1月8日。