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近代美術館葉山館で写真家・上田義彦さんの展覧会 500作品を総覧

(左から)上田義彦さん、葛西薫さん。「アーティストトーク」で

(左から)上田義彦さん、葛西薫さん。「アーティストトーク」で

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 葉山在住の写真家、上田義彦さんの展覧会「上田義彦 いつも世界は遠く、」が現在、神奈川県立近代美術館葉山館(葉山町一色)で開催されている。

展覧会に出展中の作品「at Home・Morie and Karen ・ Hayama」1996年 (copyright=Yoshihiko Ueda)

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 上田さんは自然や都市の風景、著名人のポートレート、広告写真など幅広い分野で活躍を続けてきた写真家。40年にわたる活動を、自ら現像とプリントを手がけた作品500点で総覧するという、公立美術館では約20年ぶりの展覧会となる。

 期間中、上田さんがゲストと対話する「アーティストトーク」を5回開催。アートディレクター葛西薫さんとの初回が7月26日に行われ、開始時間前から入場希望者の列ができ、立ち見での参加者も熱心に耳を傾けた。

 「日本で一番好きな美術館なので、ここでできたらと思っていた」と話し始めた上田さんは「2年前に準備を始めたが、40年間の道のりを目で見ることができてうれしい」「人や物に近づきたいと思って写真を撮るが、撮った直後に距離があることに気付き、また撮りたいと思う。だからやり続けてこられた」などと振り返った。

 アーティストトークは今後、デザイナー・原研哉さん(8月10日)、デザイナー・皆川明さん(同24日)、文筆家・内田也哉子さん(9月20日)、写真評論家・清水穣さん(10月25日)を招いて行う。

 展示作品の中には家族の写真も含まれる。上田さんは「葉山への移住はこの30年の間に2度。最初は約30年前、長女が生まれてすぐに東京から森戸海岸の近くの古民家へ引っ越した。その家はまるでトトロに出てきた家のようで、その家に家族3人で楽しく3年ほど住んでいた頃に撮った写真が『Morie and Karen。』」と紹介する。「今から20数年前に現在の金子堅太郎別邸を縁あって引き継ぎ、当初は別荘として使っていたが、3年前に本格的に移住。その家で映画『椿の庭』を撮ったり、私自身の大切な写真が生まれたりした。その流れの中で、この展覧会になったように思う」とも。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。観覧料は、一般=1,200円、20歳未満・学生=1,050円、65歳以上=600円、高校生=100円。11月3日まで。

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