
逗子湾沖で6月22日、特別合同水難救助訓練が行われた。
逗子市、横浜市、横須賀市、藤沢市、鎌倉市、葉山町の消防、横須賀海上保安部の7機関から約60人をはじめ、湘南海上安全協会、リビエラリゾート、小坪漁業協同組合、逗子ライフセービングクラブなど10の協力団体、逗子市消防団員らを合わせると約150人が参加。逗子市としては初めての大規模合同訓練となった。
開会式で桐ケ谷覚逗子市長は「訓練に勝る準備はない。今日は波も風も平穏ではない状況となった。安全第一に訓練してほしい」とあいさつ。その言葉通り、当日は南西~南南西の風、風速11メートル~15メートル/秒、波の高さ1.7メートルという自然条件となった。
訓練は、「逗子湾沖で船舶事故が起こり、乗組員数人が船外に投げ出されて救助を求め、船舶からは火災が発生」という想定により、各機関が連携し、海面上、海中での要救助者救出訓練、遭難要救助者救出訓練を行い、船舶火災想定では横浜市消防局最大の消防艇「よこはま」、横須賀海上保安部の巡視船「くりかぜ」が実際に放水訓練を行った。
被災を想定した船を担当した小坪漁業協同組合の大竹清司組合長は「なぎの時に事故は起きにくいので、風も波もあって、訓練にはいい条件だったのでは」と振り返る。
訓練を担当した逗子市消防総務課の消防員は「これから海水浴シーズンを迎え、海難事故のリスクが高まる。訓練を通して、指揮命令系統や無線連絡の取り方、各機関の役割分担を再確認した。現場では数秒数分の判断が人命に直結するので、訓練でやった通りに動き、命を救いたい」と力を込める。