JR東逗子駅北側の山中にある神武寺(逗子市沼間2)が今年で開創1300年を迎え、11月24日、特別法要が行われた。
11月18日~24日の7日間、記念大開帳として33年に1度、扉を開ける本尊・秘仏「本尊薬師如来像」と、10月23日に逗子市重要文化財の指定を受けた「木造十一面観音菩薩坐像(ざぞう)」の特別参拝が行われ、約2000人が参拝した。
本尊である薬師如来は行基作と伝わる座像で、本来は33年に1度の御開帳で次回は2050年の予定だが、今回、特別に公開した。
同寺ウェブサイトによると、724年正月、聖武天皇の命により行基が奈良から来て十一面観音・薬師如来・釈迦(しゃか)如来の尊像を彫刻・奉安し、玉体安穏・万国和平・万民豊楽の祈とう道場として開山された寺院で、「吾妻鏡(あづまかがみ)」には源実朝が参拝したなどの記録もある。
24日には特別法要として第76世住職の土屋慈恭さんが神奈川天台仏教青年会の僧侶9人と平安時代の仏教音楽・天台声明(しょうみょう)を披露し、稚児(ちご)行列が行われた。
法要後、土屋住職は「未来に向け、若い僧侶と共に天台声明を行った」と参拝客に向けて話し始め、「何度か戦火で焼かれ、一番古い建物は1594年に建てられた薬師堂になるが、伝説・伝承を大事に残しながら今日まで続いてきた。この先50年、100年、1000年後も、皆さんにお参りしてもらえるよう残していきたい」と力を込めた。