「秀麗桜を愛でる会」が旧県立逗子高校(逗子市池子4)の中庭で3月30日に行われ、卒業生たちが連れ立って訪れた。
2023年3月、県立逗葉高校(桜山5)と再編統合となり、閉校となった同校の中庭にある2本の桜は愛称「秀麗桜」と呼ばれている。1955(昭和30)年、同地に移転後、植樹され、約60年、毎年花を咲かせてきた。卒業生らは「ソメイヨシノではなく、大島桜系のようだ」という。
主催した同窓会「秀麗会」の常任理事会の委員らは「昨日までは寒の戻りが長く、ほぼ咲いていなかったので、心配した。今日は朝から気温が上がり、次々に咲き始め、ほっとした」と安堵の表情を浮かべた。
閉校となった同校の建物・敷地は現在、県立逗子葉山高校(桜山5)が管理している。同校の会田勉校長が逗子高校の卒業生でもあり、秀麗会は文化祭などの行事の協力もしている。会田校長は「統合したあとも、日頃のつながりがあり、一緒に企画できた」と話す。
会長の新倉聡さんは「私が生徒のころ、3年生の昇降口に続くこの中庭は花道と呼ばれた。アベックがわざわざ休み時間に登校して目につくよう2人で歩いた」と振り返り、「創立90周年の時に、桜の周辺でもイベントができるよう一部をコンクリートで整備し、ベンチも設置した。愛でる会を初めて企画したが、その時のベンチが生かされて良かった」と笑顔を見せる。
11時の開場とともに訪れた6人組は1973(昭和48)年卒業、今年古希を迎える。「当時はまだ桜の幹も細くて背も低かった。今日はこの後の食事も楽しみ」と話す。
常任委員のメンバーらは「来年はまだ逗子葉山高校が管理を続けるというのでまた開催出来たら」と3分咲きの桜を見上げた。