提供:医療法人 メディスタイルグループ 制作:逗子葉山経済新聞編集部
JR逗子駅から徒歩1分もかからないビルにある「逗子メディスタイルクリニック」。3階美容皮膚科・形成外科の徳永理恵さんと、4階歯科の徳永淳二さん夫妻が8年前に開業。同医療法人グループは葉山町に小児歯科、皮膚科、耳鼻咽喉科も開院。昨年12月、逗子駅そばに定食店「逗子キッチン」もオープンした。中学1年、小学5年、幼稚園年中の3人息子を持つ理恵さんは、5年前に2つのがんの手術も経験。
いったいどんな先生なのか。シミ取りの治療法などを通して、これから全6回シリーズで紹介していく。
(左から)徳永淳二先生と理恵先生
理恵先生 小学生のころから、本が好きで、本を読むうちに、女性も一生やりがいを持って続けられる仕事は何かなぁと考えるようになり、それは医者かもしれないと、中学受験から目的意識を持って勉強していました。
高校生のころには、内視鏡など医療技術の発達もニュースなどで目にするようになって、そういう体に負担の少ない機器を使える医者になりたいと思うように。
東京医科歯科大学で演劇部に入ったら夫がいて、一緒に舞台に立ったり、私が脚本を書いて、夫が舞台監督をやったり……。今も似ていますね。私がこうしたいと思うことを夫に何とか形に落とし込んでもらうみたいなね。
記者 運命の出会いですね。診療科目を決めたのは?
理恵先生 もともと美容には興味がありました。大学6年になると、各科の先生に学生が勧誘されますが、形成外科の教授に、「形成外科ってアートですか?」と聞くと、皮のトレンチコートを着て、ダンディーな教授が「アートです」と答えてくれました。それで決めたような(笑)。
卒業後、横須賀市民病院に大学から派遣されました。そこで形成外科の基礎をたたき込まれましたね。褥瘡(じょくそう)、つまり床ずれ回診を任されたり、何時間もかかる再建の手術をしたり、3~4年、ひたすら手術をしていました。
形成外科は範囲が広くて髪の毛から爪の先まで目に見えるところ全部が対象。やけど、鼻の骨折、巻き爪などなど。総合病院だったので、個人病院では手に負えないような患者さんがたくさんでした。
理恵先生の肌は一見の価値あり
記者 形成外科から美容医療に目が向くきっかけは?
理恵先生 長男を産んで2カ月で復帰しましたが、次男が生まれたとき非常勤に。その時、世に出始めたレーザー脱毛に取り組みました。市民病院が脱毛をやるということで人気でした。そのレーザーを使ってシミを取る診療を始めたのですが、シミが取れない患者さんがいました。そこで、自分がいろいろされていたスキンケアを全てやめてもらったらシミが取れたんです。その時、治療だけではなく、スキンケアがとても大事だと気付いて、都内の美容皮膚科に修業に行き、美容医療を学びました。
厳選して揃える機器、奇抜な新しい治療には飛びつかない
記者 開業は8年前、先生が34歳、淳二先生が35歳のときですね。
理恵先生 5歳と3歳の子どもを傍らに置いて仕事がしたかったので、キッズルームを作って、専属のベビーシッターも置きました。患者さんのお子さんも無料で預かることができて好評です。
そして自分たちの理想を求めて開業したかった理由は、統合医療、つまり既存の医療機関の形や保険診療にこだわらず、一番患者さんが良くなる方法を考えようということ。
例えば、歯科の治療の材料で金属は一般的だけれども、体に悪影響もあるという研究データや論文も出ている。セラミックなどは自費になりますが、批判を怖がらず、ぜいたくだと思わず、選択肢を伝え、理解いただけたら提供していこうと。
最初、歯科はガランとしていましたが今は予約でいっぱい。いつかは分かっていただけると感じています。
きれいになることも仕事というスタッフのみなさん
記者 5年前にがんの手術を経験していますね。
理恵先生 乳がんは、3人目の出産間近にしこりに気付きました。出産後、右の乳房を全摘出して、全身を検査したら甲状腺にも見つかって全摘出。抗がん剤をやりながら、1週間は休み、2週間仕事、そしてまた抗がん剤というクールで仕事もしていました。 育児もどうやっていたのだろうと記憶が無いくらい。
抗がん剤で髪も眉毛もまつ毛も抜けてウィッグを着けて治療に当たっていたので、髪のない悩みもわかります。その経験もあって「がんサポート」も診療科目です。治療はそれぞれの主治医にお任せですが、大きな病院では聞きづらいことを聞ける場です。どうやって生きていけばいいのか分からないと相談される方もいます。
記者 病気も大きな転機に?
理恵先生 うかうかしていると人生って早いんだなと実感。やれることはどんどんやろうと思うようになりましたね。使命感なのか死生観なのか。
昨年、逗子駅そばにオープンした子どもも連れて入れる定食店「逗子キッチン」
記者 診療範囲が多いことは特徴の一つですね。
理恵先生 間口は広いです、でも敷居が少し高いみたい。例えば、顔のイボなど皆さんが考えているより簡単に取れるものもたくさんあります。レーザーなど機器類だけでなく、アロマ、はり、漢方など施術の方法もさまざまあり、患者さんの生活に合わせて選び、納得したら行う。自費医療は患者さんが主体。まず相談にいらしてほしい。
私はスタイルのかっこいい美人院長ではないですし、親しみやすいクリニックを目指しています。
スタッフは皆、医療の知識を勉強しますが、さらにきれいになることも仕事。レーザーの感触なども体験しているので、患者さんの気持ちも理解できているようです。
診察室に入る前にパウダールームでメイクを落とします。パウダールームではクリニック専用の基礎化粧品を試すことができます。患者さんは緊張して来られますので、スタッフが洗顔の案内をしながら、診察室の私の前に座るまでに上手にほぐしてくれます。
清潔感のあるパウダールーム
まず丁寧に治療の説明
Mさんの顔のシミについてまず種類を説明します。雀卵斑(じゃくらんはん)、いわゆる、そばかすと、日光性の色素斑、いわゆるシミ、それから少し肝斑(かんぱん)が混在しているタイプと診断。いくつかある治療の中で、「ライムライト」という光治療を提案しました。ダウンタイム(施術後、回復するまでの期間のこと)が短く、治療後、化粧して帰宅でき、1か月に1回、計3回行うことで肌の変化を実感できるからです。
肌の状態を専用のカメラで理恵先生が撮影し、記録
理恵先生 「光治療『ライムライト』については次回で。1か月おきに3回行います。クリスマスの頃の肌の状態が楽しみです」