プレスリリース

SUN METALONとコマツ、鉄系研磨スラッジの新リサイクルプロセスに関する共同研究を開始

リリース発行企業:株式会社SUN METALON

情報提供:




金属業界の脱炭素化を推進する株式会社SUN METALON(以下、SUN METALON)とコマツは、鉄系研磨スラッジの新リサイクルプロセスに関する共同研究を開始しました。本共同研究では、金属加工の過程で大量に生じる研磨スラッジを高純度の金属資源に再生する、低コストかつCO2排出量が少ない、安全な手法の確立を目指します。SUN METALON製実験機をコマツの工場に設置し、実用性の検証を進めてまいります。

共同研究の背景
SUN METALONが特許を持つ独自の金属加熱技術は、金属廃棄物から油や水などの不純物を効率的に取り除くことを可能にします。このたび新たに開始する共同研究は、SUN METALONの金属加熱技術をコマツが手掛ける建設機械の部品の1つであるシールリングの製造時に発生する研磨スラッジの再生に応用し、実用化と幅広い展開を目指すものです。

図1 鉄系研磨スラッジと加熱処理後の状態


シールリングは建設機械の足回り装置において、内部の潤滑油の漏れ防止と、外部からの土砂などの異物の侵入防止のために使用される、精密加工を要する鋳造部品です。コマツでは、耐摩耗性が高い高クロム鋳鉄製のシールリングを自社工場で製造しています。

その製造過程で生じる研磨スラッジは、微細な金属粒子と大量の油水が混ざり合った泥状の物質です。研磨スラッジは有用な金属成分を含むにもかかわらず、工場内でのハンドリングの難しさと、リサイクルプロセスにおける溶解時の安全性の課題から、これまで社内での再利用が困難でした。研磨スラッジの効率的な再資源化が可能になれば、従来は再利用できなかった金属資源や油分等の再利用につながり、資源のロスおよび処理費用の削減による経済効果が見込まれます。

図2 フローティングシール

今後の展開
両社はこれまでに、熱処理プロセスを介して研磨スラッジから不純物を効果的に除去する技術の基礎評価を終えています。また、本共同研究にあたり、コマツはSUN METALON製の実験機を導入しています。今後両社は、低コストかつ環境性能と安全性に優れた新たな研磨スラッジのリサイクルプロセスの確立を目指し、実証実験と実用性の検証を進める計画です。さらに、他用途での活用や社会実装に向けた検討にも連携して取り組み、金属加工における脱炭素化の推進に貢献してまいります。

各社コメント
■コマツ 氷見工場生産技術部 担当者
コマツでは、環境負荷低減に向けて様々な活動に取り組んでいますが、年間150トン発生している研磨スラッジについてはこれまで再生利用の道が見いだせずにおりました。しかし、SUN METALON様の新リサイクルプロセスに接し、まさに当社が直面している課題の回答を見た思いでした。現在、共同研究を進めている中で、鋳鉄材のリサイクル技術の基礎評価まで完了いたしました。環境負荷軽減や安全性の確保をもたらし、さらには高価な合金を材料に戻す付加価値の非常に高い技術として期待しております。

■株式会社SUN METALON Co-Founder & CEO西岡 和彦
このたびのコマツ様との取り組みは、金属産業が長年抱えてきた課題に一石を投じるものです。我々の技術は、これまで製造現場で扱いに困っていた研磨スラッジを、貴重な鉄源として再生利用することを可能にします。この革新的な技術を活かし、資源の有効活用と二酸化炭素排出量の大幅削減を同時に実現する循環型サプライチェーンの構築に貢献し、引いては製造業全体の持続可能性向上に大きなインパクトをもたらせると確信しています。今後も業界のリーディングカンパニーの皆様と手を携え、金属産業の脱炭素化に向けて全力で取り組んでまいります。

SUN METALONについて
SUN METALONは、金属業界の脱炭素化を推進するディープテックスタートアップです。低コスト、低CO2、ポータブル化を実現する独自の金属加熱技術によって、金属の製造・リサイクルにおけるより効率的な循環型サプライチェーンを実現します。

代表者:西岡 和彦
設立:2021 年2 月2 日
企業URL: https://sunmetalon.com/jp
事業内容:金属業界への脱炭素化ソリューションの提供

本件に関するお問い合わせ
SUN METALON Inc. 担当:瓜生・天野
Mail: info@sunmetalon.com

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース