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葉山町で災害時に備えた猫会議 町民の課題とアイデアを共有

講師は、呼び戻しや抱っこの練習が大切などと話す「こうめ動物病院」院長の澤柳千さん

講師は、呼び戻しや抱っこの練習が大切などと話す「こうめ動物病院」院長の澤柳千さん

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 葉山町で「災害時に必要な知識&ペット座談会~猫編~」が6月30日、同町教育総合センター(葉山町堀内)で初めて行われた。

参加した町民がグループに分かれて悩みを共有し、課題解決のアイデアを出し合う

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 同町は犬の飼育率が県内で最も高く、災害時の避難について行政としての意識も高い。2023年にはペットに特化した防災セミナーを初開催した。参加者からの提案をきっかけに、町は「イエローチョーク作戦」と呼ばれる犬のふん放置対策や公衆トイレのリードフック設置など取り入れている。

 猫編を企画した同町環境部環境課職員は「避難について犬の相談はあるが、猫の相談はなく、情報もない。ただ犬より猫の飼育数が多いという声もある。申し込みも前回より多く、飼い主の方から困り事を共有し、町への要望やアイデアを聞きたい」と話す。

 湘南獣医師会災害対策担当で「こうめ動物病院」(葉山町木古庭)院長、澤柳千さんの講演「災害時に備えた猫のしつけ」で始まった。「猫は犬以上に思った通りに避難できない、まず猫の防災で必要なことは何か想像することがとても大切。水やえさなどの物を用意することではない」という澤柳さんは「災害時に逃げられてしまうのが一番困る」と声を大にする。名前を認識させ、呼び戻しや抱っこの練習を勧めた。

 後半は参加者がグループに分かれ、意見交換会が行われた。最後に「犬の登録シールのように猫も戸籍簿を作り、猫を飼っていることを表示できれば」「猫用のフードバンクや猫砂バンクはどうか」「避難時に名前入りの猫Tシャツはどうか」など、グループごとにアイデアを発表した。

 町ではペットと避難できる場所を探すなど、今後もペット防災に力を入れていくという。ペットの健康、防災、マナーについてまとめた「葉山のペット手帳」の改訂版も3月に発行している。

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