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葉山・玉蔵院で53年ぶりの「晋山式」 新住職、涙こらえ就任あいさつ

晋山式で新住職辞令を受け取る法仁さん

晋山式で新住職辞令を受け取る法仁さん

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 葉山町最古の高野山真言宗の寺「玉蔵(ぎょくぞう)院」(葉山町一色)で5月17日、新住職就任に伴い「晋山(しんざん)式」が執り行われた。

御寺院方記念撮影。前列中央に新住職

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 前住職・本多清法さんが1972(昭和47)年10月14日に行って以来、53年ぶりの同式で、雨風の中、近隣の寺院住職、関係者、檀家をはじめ、周辺住民ら200人以上が集まり、清法さんの長男、本田法仁さんの就任を祝った。前住職は同式を機に名誉住職になる予定でいたが、1月27日に亡くなった。法仁住職は父の袈裟(けさ)をまとって式に臨んだ。

 式の前に予定していた稚児行列は雨のため練り歩くことはできなかったが、本堂で本尊に成長を願い、行列を先導する予定でいた相州葉山一色木遣(やり)保存会が黒金「めでためでた」を披露した。

 15時に入堂で始まった式の中で、高野山真言宗総本山金剛峯寺(こんごうぶじ)の長谷部真道大僧正よりの新住職辞令を神奈川宗務支所支所長の佐藤賢昌僧正が伝達し、親子三代総代という角田裕幸さんが寺宝継承の儀で過去帳を渡した。

 祝辞では導師の東昌寺岸本光瑞権大僧正が「先代の晋山式では稚児行列の稚児奉行を務めたことなど思い出された。新住職は若い感性で寺の情報を発信し、他の寺の後継者たちにも刺激を与えている。これからも、その感性で皆さんの心に寄り添い、事業を展開していってほしい」と期待を込めた。

 謝辞で法仁新住職は「高野山での修行後、社会人などを経て10年前に寺に戻ってきた。檀家さんたちは私を知っていても私が皆さんのことを知らないという状況で始まり、さみしがり屋の私はいろいろな方と縁を結んできて今はもう寂しくなくなった」と涙で言葉に詰まりながら「この日があるのは好きにやらせてくれた父がいたからで、今日もどこかで見守ってくれている。雨の日も、雨の日も、雨の日もあると思うが、共に悲しみ喜びあえる寺の住職として精進していきたい」と決意を語った。

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