
写真本「ランニング・ワイルド~世界至極のトレイル16章 日本語版」(青土社)の出版を記念したトークイベントが3月25日、逗子文化プラザさざなみホール(逗子市逗子4)で開催された。当日は、翻訳した逗子在住の小野寺愛さんや国内外で活躍するウルトラトレイルランナー、宮崎喜美乃さんらが登壇した。
写真本「ランニング・ワイルド~世界至極のトレイル16章」日本語版(青土社)
同書はトレイルランニング雑誌「Like the Wind」(英・2014年創刊)編集部が2022年にイギリスで出版し、イタリア語、ドイツ語に続き4カ国語目となる。初心者からベテランランナーまでを対象に、世界のトレイル16カ所を各地のトレイルランナーが紹介する写真本。ホワイトマウンテン(アメリカ)、パタゴニア(チリ)、ブリティッシュコロンビア(カナダ)、ピレネー(フランス/スペイン)など、ランナーだけでなくウオーキングでも行ける場所が並ぶ。
約2年半かけて訳した小野寺さんは仲間と共に、逗子で小学生のための放課後自然学校「黒門とびうおクラブ」、認可外保育施設「うみのこ」を運営しながら、日本スローフード協会理事として執筆、通訳、講演などで活動している。2022年にはアメリカで「オーガニックの母」と呼ばれるアリス・ウォータースの近著「スローフード宣言~食べることは生きること」(海士の風)の翻訳を担当。「アリスの本は自分がずっと関わってきた分野だったので訳しやすかったが、今回は得意分野ではないのでトレラン仲間の応援を得ながら時間がかかった。だが、子どもたちに、広く美しい世界を知り、その景色に感動できる平和を感じてもらえたらと引き受けた」と小野寺さん。
ゲストの宮崎さんは2月にニュージーランドの100マイルレース「Tarawera Ultra-Trail by UTMB」女子の部で優勝した体験や同書にも登場するフランスのシャモニーやコルシカ島への遠征などについて、スライドを交え、ウルトラトレイルランニングについて紹介した。
「小学生になる前から走ることが好きで、高校で挫折を経験しても、大学院まで進み、ランナーとしての自分の身体を実験対象として分析し走り続けている」という宮崎さんは「走ることは孤独な戦いだと思っていたが、ウルトラの大会に出てチームでならより高い成績を達成できることを知った」と話す。
逗子の10歳~12歳のトレイルランニングチーム「逗子スカイランナーズ」もサポートしている宮崎さんは、参加した子どもたちに向け、「世界に挑戦するなら英語は絶対勉強してね」と呼びかけた。
イベントの最後に小野寺さんは「今日、参加して世界に出たいと思ってもらえたら大成功」と力を込めた。
仕様はオールカラー258ページ。価格は5,280円。