葉山町制施行100周年記念誌「葉山」が完成し、1月8日に販売が始まった。
仕様は、写真を豊富に載せたオールカラー刷りのB5版サイズ 456ページ。葉山の現状で始まり、自然・文化・暮らし・交通・学校・災害・文化財などを17章にまとめている。特に御用邸がある町としては欠かせない天皇家との歴史は町民が交流してきた様子も分かる。
同町から委託された「編さん委員会」は町民団体「葉山郷土史研究会」のメンバーが主体で、約3年かけ、68回の編集委員会で検討を重ねた。90年史も制作した同会は2001(平成13)年に発足し、町に関わる地方文書(じかたもんじょ)を探索・解読、保存し、年刊誌「郷土誌 葉山」にまとめてきた。編集長の鈴木雅子さんは「90年の時は町史がなかったこともあり、明治時代までが中心だった。今回はそれ以降が中心となり、25年間、会員がコツコツ積み上げてきた内容を盛り込んでいる」と話す。
巻末には町制施行から100年の年表とともに、施行以前の古第三紀「葉山町下山口の水源地橋の周辺に分布する玄武岩」で始まる年表も掲載。1577年からの各村の村方三役の変遷も同会ならではの史料となっている。
鈴木さんは「私たちの郷土誌をご覧になったことがない人たちにとっては知らなかったことだらけの葉山かもしれない。私たち町民が古老に話を聞き、町を歩き回って調べてきた歴史をこの機会に知り、未来に残せていければ」と期待を込める。
同誌と並行して同会の古文書部会を中心に制作し、今月完成した「新 葉山町史料」は町役場、図書館などに配架されている。65年ぶりの続編になるという。