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逗子在住の被爆語り部 広島での出来事を市内小学校5校で伝える

(右から)逗子市被爆者の会「つばきの会」の会長、藤原功紹さん、宮川千恵子さん。逗子小学校で

(右から)逗子市被爆者の会「つばきの会」の会長、藤原功紹さん、宮川千恵子さん。逗子小学校で

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 逗子市被爆者の会「つばきの会」の宮川千恵子さんが7月2日から逗子市内公立小学校5校を順次訪れ、6年生に被爆体験を伝えている。

最初に宮川さんが動画にまとめた証言を聞く小学6年生ら

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 1988(昭和63)年に結成した同会は多い時には約70人の会員がいたが、現在は約10人。市内の中学2年生をピースメッセンジャーとして広島へ派遣したり、映画上映をしたりするなど平和を訴える活動に取り組んできた。小学生に被爆体験を語る被爆証言も2002(平成14)年からほぼ毎年行っている。

 今年も証言して回っている宮川さんは11歳の時に広島の爆心地から8~9キロ離れた疎開先で被爆。同じ広島出身の夫と結婚し、約50年前に逗子に移住。同会に入会した時は50代で一番若かったという。「会では会計を担当して前に出ることはなかったが、80歳で薬剤師の仕事を辞めてから証言するようになった。先輩たちの活動のおかげで保障なども受けられるようになった。このままだまって死んでは申し訳ないと思って」と話す。

 同会副会長の藤原功紹さんは乳児の時に被爆したため、当時の記憶はない。自身の記憶を話せる被爆者は逗子に90歳の宮川さん一人になったという。

 宮川さんは「小学生にとって同じ年頃に体験した私の話は身近に感じてもらえるようだ」と言い、どのように話せばいいか何度も原稿用紙に書いて読み直し、コロナ禍で活動ができなくなった2022年には証言を動画にした。限られた授業時間の中で伝えるため、先に動画を見てもらい、その後、追加の話をする。7月8日の逗子小学校では、給食前の時間だったため、戦時中、食べるものが乏しかった時の給食の話をし、「皆さんは楽しい給食の思い出を作ってほしい」と伝えた。

 児童らが書いた証言の感想文は「つばきの会」が受け取り、8月15日~19日に同市で開催する「ずし平和デー」で展示する。

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