1100キロのナショナルサイクルルート「太平洋岸自転車道」をタンデム自転車で9日間かけて走るプロジェクト「太平洋岸自転車道をタンデム自転車でつないじゃえ2023」の参加メンバーらが4月30日、葉山、逗子を通過し、起終点である和歌山県和歌山市に向かった。
2021年5月31日に日本を代表する魅力的な自転車道として国内外にアピールするナショナルサイクルルートとして指定された「太平洋岸自転車道(以下PCR)」は、千葉県銚子市をスタート地点とし、和歌山県和歌山市をゴール地点とする全長約1400キロのロングコース。今回のプロジェクトは、PCRを知ってもらい、地域とPCRとのつながりをつくり、活用する方法を模索しながら民間有志で企画運営している。
タンデム自転車とはサドルとペダルが前後に2組ずつある2人乗りの自転車。プロジェクト参加メンバーは4月29日、銚子駅前太平洋岸自転車道起点モニュメント前をスタートし、南房総市白浜を回り、アクアラインを使って神奈川県に渡り、横須賀市から葉山町、逗子市を通過、静岡県から三重県、和歌山県へ。5月7日、和歌山市・加太終点モニュメント前がゴールとなる。
神奈川県内の走行に協力している逗子の市民団体「歩行者と自転車のまちを考える会」の三浦 清洋さんは「今年はより多様性のあるサイクリングを目指し、障がいがある人たちも参加している。タンデム自転車ならば障がいがある人も一緒にサイクリングを楽しめることをアピールしたい」と話し、「神奈川県もタンデム自転車の公道走行が4月1日にやっと解禁されたので、神奈川県もつないで太平洋岸自転車道を全走行できることになった意味は大きい」とも。解禁になっていない都道府県は東京都のみとなった。
逗子の休憩地点、渚橋交差点で合流した葭原滋男さんはアトランタ・パラリンピック走り高跳びで銅メダル、シドニー・パラリンピック自転車競技1キロタイムトライアルで金メダル、スプリントで銀メダル、アテネ・パラリンピック自転車競技・スプリントで銀メダルを獲得したアスリート。「競技場でしか乗ったことがないので公道を走るのは初めて。タンデムならば障がい者でもサイクリングを楽しめることを伝えたい」と笑顔で話す。