葉山アマモ協議会が2月25日、真名瀬海岸で海草アマモの植え付け作業を行った。
成育して残っていた昨年11月に植えたアマモ(提供=葉山アマモ協議会)
同会は鹿島建設が開設した「葉山水域環境実験場」(葉山町一色)と地元の漁業者やダイバー、漁業協同組合と共同で2006(平成18)年に設立、アマモ場再生の研究に取り組んでいる。
この日は、地元漁師をはじめ、同実験場職員の山木克則さん、ダイビングショップ「NANA」のダイバーらが協力して作業を行った。
植え付けできるアマモは海底の砂にしっかり植えることができるくらいに根が成長したもの。参画団体の一つ、一色小学校(葉山町一色)では約15年前から、4年生児童がアマモを通して地域の環境を学び、アマモの種苗作りを行っている。今回植える500株の中には2年前に児童が作り、その後実験場で育成していたアマモも含まれている。
山木さんは「植え付けは、アマモを食べる魚、アイゴなどの活動が鈍くなる晩秋と、アイモが海水温の上昇とともに成長する今の時期がいい。成長した時に密集して一気に食べられてしまったことがあり、株と株の間は少し距離を取って植える」と話す。
水深約4メートルの海底まで一緒に潜った漁師の畠山晶さんは「私が漁師を始めた10年程前はまだこのあたりも一面海草が生えていた。毎年植えてもなかなか藻場にはならない」と厳しい表情を見せる。
山木さんは「昨年11月に植えたアマモを観察したが、残っていてうれしかった。種ができるところまで成長してくれたら次につながる。引き続き、定期的に観察していく。アマモを使ったブルーカーボンの取り組みも漁協と検討している」と話す。