性的少数者を表す「LGBTQ」や性的マイノリティーと向き合うドキュメンタリー映画「であること」が逗子のシネマ・カフェ「シネマアミーゴ」(逗子市新宿1)で5月1日、2日、15日に再上映される。
上映会後のトークショーで。(左から)監督の和田萌さん、プロデューサーの西山ももこさん、ゲスト・元朝日新聞記者の稲垣えみこさん、出演者の市川広さん
同カフェでは3月にも6日間上映され、全日程満席となった。プロデューサーの西山ももこさんは「逗子市は早い時期にパートナーシップ制度に取り組んでいると知り、ぜひ逗子で上映会を行いたいと思った。実際、定員以上の問い合わせがあり、入場をお断りせざるを得ないという申し訳ない状況だった。映画を見た人の感想やご意見も興味深いものが多く、対話型の上映会にした方が良さそうと思い、トークショーやお客さんとの交流タイムをセットにした再上映を設定した」と話す。
「LGBTQの番組は作れない」という認識を持つテレビ番組制作者に存在を理解してもらおうと思ったことが映画作りのきっかけという西山さん。自らがインタビュアーとなって夏の1週間、当事者ら9人と話した。「性的マイノリティーという言葉はよく使われるが、当事者はどう感じるのかなど聞いた。認められず傷ついて乗り越えたみたいな物語ではない。撮影しながら私自身、取り上げることの意味が変化していった」と振り返る。
4月17日の再上映会も満席で、トークショーには西山さん、ドキュメンタリー番組の制作などを手掛けてきた監督の和田萌さん、出演者の市川広さん、元朝日新聞記者の稲垣えみこさんが参加した。
和田さんは「撮っていくうちに、そもそも人を性別などでカテゴライズすることに疑問を感じるようになり、自分自身であることが大切ということでこのタイトルにした」と話し、市川さんは「マイノリティーという言葉はもう古いと思っていたけれど、映画を見てこの言葉に救われている人もいることが分かった。LGBTQが嫌な人もいて、それはそれでいいのだけど一番言いたいことは嫌だからと攻撃しないでということ」と伝える。
市川さんに会いたくて3回目だが見に来たという男性は「最初はLGBTQの映画だと思っていたが、LGBTQではない私も私個人がマイノリティーだと気が付いた」と笑顔を見せる。
西山さんは「映画を見た方からLGBTQが特別なマイノリティーではなく、それぞれに他人と違うことがあり、そのマイノリティーを認め合うことが大切だというような感想を頂く。ダイバシティ―とか多様性とか、そういう言葉にこだわらずいろいろな人に見に来ていただきたい」と呼び掛ける。
上映=17時30分~19時4分、トークショー=19時15分~20時、 交流タイム=20時~21時。予約はイベント日の10日前から「シネマアミーゴ」で受け付ける。定員は各回20人。参加料は2,000円(1ドリンク込み)。トークショーのゲストは5月1日=セクシーダヴィンチさん、舞台俳優の和田華子さん、2日=俳優のあべさきよさん、ポールダンサーの小源寺亮太さん、15日=市川広さん、映画「Queer Japan」プロデューサーの飯田ひろみさん。